1年くらい前からリストに入れていたドイツ語のドラマ。ドイツ語のドラマはなぜか(話というより画面が)暗いものが多く、いつも見るのが遅くなる。今回は、たまたま第一話をクリックしてしまったので見てみたが、まだあとでいいやと思っていたところだった。
舞台はドイツのアーヘン界隈。異常な雰囲気の家屋とそこに住んでいる母と子供たちがちらっと描かれる。そののち、その家の母親(監禁被害者と思われる)が森を半狂乱で走って逃げ、車に轢かれたのであろうというところでシーンが変わる。
ここで視聴者が思うであろうストーリーは。
どーしょもない犯罪者の男に長年監禁されて子供をも生まされていた女性がやっと逃げた。だが轢かれてしまって重体で、意識がない。一緒にいた娘は賢く、なんでもそつなくしゃべる。それが監禁状況にあった子供であることは聞く側にもすぐわかって、看護師や警察らが機敏に動く(←ここは頼もしい、さすがヨーロッパという感じである)。
少女の話によれば家には弟が残っていて、カーペットの血を掃除しているのだそうだ。助けに行かなければと警官が声をかけても、少女は場所をいわない。弟は家にずっといたほうがいいと思っているようである。
さて。
……この話、わたしが想像するに父親は死んでいて(抵抗した母親に殺されたのかどうかは不明、とにかくいなくなっていて)ほんとうは家から自由になれるはずなのではないか、ところが娘がそれまでの生活を正しいと思いこんでいて家から出ないと決め、母親を操って無理に家族ごっこのようなものを延長しているのではないかと。そのため、弟が実在するかどうかもまた不明。すべては冒頭のシーンと少女が語る像だけなのだから。
そうでもなければ、この話は月並みになってしまう。監禁されていた女性と産まされた子供(たち)を題材にした犯罪実話もフィクションもけっこう知れ渡っている。いまからわざわざフィクションにするなら、異様なひねりを加える必要があるはずだ。
ときどき1話ずつ見る予定。