世の中の発音の多くは「卵かけご飯」という具合に、「がけ」が濁らないらしい。だがわたしはずっと「卵がけ」と呼んできた。状況によってはAIが「卵かけご飯ですね」とダメ押ししてくる場合もあるが、卵がけである。
新潟県のオークリッチさんの生卵を、昼に食べた。1ヶ月おきくらいに数パックほど取り寄せで買っている。以前は夏は買わなかったが、夏も買うことにした。美味しいものはやめられない。
数年前まで、卵はスーパーで1パック300円でも高いと思っていたほうで、200円以下のものを探すこともあった。そのころはオークリッチさんのものを生卵がけや特別な用途にして、それ以外は安い卵を買っていたが、現在はスーパーでもいくつかの決まったブランドを買うことが多い。
うまいものはうまいし、生産者を決めてひいきにする(応援する)形での購入をするのが、これからの日本の中高年の勤めであるような矜持もまた、同時に感じている。いまオークリッチさんの卵は種類によって1個あたり80円前後するが、今後の日本で、一般消費者による日々のちょっとした出し惜しみがあれば、日本の生産者が国内で生産もできなくなる(経営が立ちゆかなくなる)可能性は想像に難くない。わたしは国産にこだわるのは小麦粉と卵がメインだが、ほかにも応援できるものがあれば店や生産者を決めて買いつづけたいと思っている。
スーパーで卵を買うときにポイントにしているのは、よほど緊急の場合でなければ、「ビタミン添加または強化と書かれていない」もので、パックの参考写真では黄身がオレンジではなく黄色に近い色で表現されているもの。そういうものが美味しい。