チェスは苦手である。ルールがよくわからない。
なんで目の前にある駒をとれないんだろうとか、なんでpawn(将棋でいえば「歩」)だけが反対側にまで到達したとき変身できるのかとか(将棋ではほかの駒も変身する)、それよりなにより「取っていったら減るだけで、取ったのを使わせてくれないのか」と。
だがよく考えたら、駒が減ったとき、自分の持ち駒を減らさないように相手を減らしていけば、勝てるのである。そこが将棋よりもしや簡単ではないかと思う。
それにしても、Androidに先立ちiOSからチェスがはじまったせいで、語学アプリだというのにDuolingoで語学学習が減り、チェス時間が増えた。いかん、いかん。
Duolingoでチェスをやるには、試合モードももちろん用意されているのだが、最初のほうから順を追って「ここをこんな風に動かしてみましょう。では先ほどの動きを参考に、ここではどうしますか」と(英語で)話しかけられて、その通りにやっていくレッスンモードがある。きちんと指示通りにやっているつもりなのだが、この設問の意図を解釈するのがときおり難しい。どうしても「ここに動かせばゲームがよく進むじゃん」と、相手が教えようとしている手とは違う動作をしてしまい、ブッブーッと音が鳴って注意される。
大昔のフィギュアスケート協議でフリースタイルの演技前に決まった動作をきちんとこなせるかどうかの「コンパルソリー」という演技があったが、まさにあれである。自由に演技をすることのほうが得意なフィギュアスケート選手らが、あれで泣かされたと聞く。Duoingoでも「こんな意図で動かすとしたら、どこですか」と言われるのだが、実にめんどくさい。