日本語がうまい外国人に「日本語お上手ですね」などと話しかける事例が(最近は知らないがかつては)あった。
出会ってしばらくして、その短い滞在期間のわりにはすごいですねというのなら、まだ話がわかる。だがぱっと見が外国人で、もしかしたら30年くらい日本にいるかもしれない人に「日本語がお上手ですね」などとは、初対面の立ち話などで言える神経がわからない。
(もっとも、本人にではないが、どこからどう見ても英語を話しそうに見える外国人がテレビ等で流暢な日本語を話していれば、うまいな、びっくりだな、と思うことはたしかにある)
自分が「英語うまいですね」と言われたら、外国人扱いされているということなのだと、すぐ思うのが普通だろう。よい気持ちはしない。その感覚を持っているのに人には日本語お上手ですねが言えてしまうのであれば、おかしいことと思う。
ネット歴が長いので、あちこちの人とお話する。わたしの普段の投稿が日本語であると気づいた人からは、たとえ英語で話していてもその人物のほうがわたしより優位だといった態度をとられたり、こちらがばかにされていると感じることが希にある。あまりそういう人と遭遇する場面は多くないのでたすかっているが、このたび、ひさびさにストレートな表現で「あなたの英語力がじゅうぶんなら、お話がしたい」と、人が見ている前で書かれて驚いた。
実はその人物、直前に日本語が読めなくてわたしを中国人だと思い、英語でからかってきた。「わたしが書いたのは日本語ですけど」と英語で答えると、いきなり上記の発言である。ようするに、英語が出来る人間が優位という発想、しかも日本語ができる人間は日本語ネイティブに違いなくて英語は下手という発想が根底にあるのだ。自分がモノリンガル(つまり単一言語話者)である場合、世の中にマルチリンガル(複数言語話者)がかなりいることにも気づかないという典型である。失礼ながらこれは、とくにアメリカ合衆国にお住まいの方々に多い。
さて、このあまりに見事なばかっぷりに、仕返しをするかしないか、しばらく考えた。そこはどちらかといえばわたしのほうが常連であって、そのからかってきた人物は登録まもない状況。この状況で、見逃してやるか、からかい返しをするか。
あなた英語出来ますか的なアホ発言に、思いっきり格調高い英語(古語や文語)で何か書いてやろうかとも思ったし、逆に「日本製の自動応答AIですので英語力は限られています」とでも書いてやろうかと思ったが、やめた。なぜかといって…ぜったい通じない(高度なギャグがわからない)相手であることは明白。時間の無駄である。
こういう「このくらいは悪気じゃないでしょ、話をスルーしなさいよ」というぎりぎりなラインに立って人をからかう人物らが、いちばんしゃくに障って、いちばんめんどくさいのである。