ジェイク・ジレンホール主演のサスペンス映画。いや、便宜的にサスペンスと書いておくが、これはSFかもしれないし、人の生死を深くえぐる話かもしれない。原題は Source Code なので、検索の際は注意されたし。
アフガンの戦地にいたはずなのに、気づくとシカゴ行きの列車に乗っていた男、コルター。だが目の前の女性は自分をショーンと呼び、世間話をしていた。車内の人々を見まわしつつ事態を究明しようとするが、気分が悪くなりトイレへ。だがまもなく、列車は走行中に爆破された。
次の瞬間、コルターは狭いカプセルのような場所にいる。話しかけてくる女の声。最初は何を言っているのかわからなかったが、女は記憶を整理しやすいように映像や言葉を示す。やがてコルターは自分がアフガンにいたこと、そのあと列車にいたことを告げる。戦地の仲間はどうなったのかとたずねるが、女はそれをいま話している場合ではない、急いでまた8分の世界にもどって、爆破犯を特定するヒントをつかんできてくれという。
…最初は時間枠を行き来できる話なのかと思った。だがほどなく、人が最後に体験した8分間だけを追体験できる話なのだとわかった。ショーンという被害者とコルターをリンクさせているのだ。なるほど。時間枠ではなく、ある意味、パラレルワールド的なものだった。
その時間に「もどって」いるのではない、そこで人を助けようと意味をなさない、ヒントをつかんできて犯人を逮捕しなければ現在の世界で次のテロが起こると、何度言われても、主人公はその8分の世界の中で人を助けようとし、自分の知りたいことを知ろうとする。やがて彼は、何度も飛ばされた8分の世界の中で、自分の置かれた状況を理解する。
かなり、奥の深い話。見た直後に頭は多少混乱するかもしれないが、いい仕上がりだと思う。