映画:ホット・ファズ

劇場公開しろと、ネット上で署名活動がおこなわれたらしい作品。
ホット・ファズ – 日本語公式サイト
参考リンク:
この映画を公開せよ!!これこそスクリーンで大勢で楽しむべき傑作なのだから! by わたなべ りんたろう

名作「ショーン・オブ・ザ・デッド」( ← ドーン・オブ・ザ・デッドではない ^^;)の監督と主演がふたたびタッグを組んだ作品。上記リンクによると、ショーン・オブ・ザ・デッドもまた、日本で劇場公開されていなかったらしい。

あらすじ:
優秀すぎて周囲がかすむと疎ましがられ、警官ニコラス・エンジェルは、ド田舎で犯罪には無縁と思われる街「サンドフォード」に飛ばされてしまった。逃げた白鳥の捕獲など雑務を言いつけられる彼だったが、そこで殺人事件が次々と起こりはじめる。だが、人々は口をそろえてそれらを「事故だ」と言いはり、ニコラスの考えすぎだという——。

いろいろな映画の要素やシーンが盛りこまれ、かなり贅沢な映画。夜中に見たので前半でいったんやめようと思ったが、最後まで見てしまった。

頭のほうで「ティモシー・ダルトンに似てる人がいるな〜」と気づいたのだが、何度アップになってもそうとしか思えず、まさかと思ったら本人だった。いい感じで年をとってる。しかもこんな楽しい映画に出て。。。(^^;

年齢を調べたら、なんと彼は1944年生まれ。へ〜、50代くらいに見えたのに。でもそうだよな、30年くらい前にチャーリーズ・エンジェルの第二シーズンにファラ・フォーセットの(危険な)恋人役でゲスト出演していたし。年齢的には60代でないと合わないだろう。

映画:シューテム・アップ

顔が怖くて堅物のイメージがあるクライヴ・オーウェンが、大まじめにぶっ飛んだキャラクタを演じるヒーローもの。テンポがよく、最初は何が起こっているのかわからないほどスピーディーな話の流れ…。

なにせ、悪者に襲われた妊婦が銃を持っていて、たまたま近くにいてニンジンをかじっていた男が、それを見かねて応戦。ここまででも頭の整理がつかないうちに、女の銃や倒した敵の武器を回収しながら、男はあり得ない銃撃戦とアクションをくり返す。どこもかしこも弾丸だらけ。そんな中で女は出産し、撃たれて死んでしまう。残された新生児を見捨てるわけにもいかず、男は銃弾の中を逃げて、ある女に子供を預けようとする。

子連れ狼とグロリアの要素、そして(わたしにはどの作品かわからないが、一説によれば)ジュリアーノ・ジェンマ作品へのオマージュなど、見どころがある。

かつてのスティーブン・セガール映画や、最近ではトランスポーターのシリーズのように「ぜったい無敵」の主人公はいるものだが、これもすごすぎ。ここまで豪快に「あり得ない」がならぶと、すがすがしい。

それにしても、モニカ・ベルッチの美しさは年々増しているような気がする。マトリックス・リローデッドのころは「きれいなヨーロッパのお姉さん」といった印象だったが、今回は巻きこまれながらも戦う女。個性が強くて、かっこよい役どころだった。

シューテム・アップ – 日本語公式サイト

映画:譜めくりの女

レンタルDVDでフランス映画「譜めくりの女」を見た。

ピアノの才能に恵まれた少女が、あることがきっかけでその道をあきらめる。数年後、法律事務所で研修をしていた彼女は、雇い主の弁護士が探していた泊まりがけのベビーシッターの仕事を引き受けることにする。その妻は有名なピアニストだった——。

アメリカあたりがリメイクしそう(笑)。そのときは、もっともっと露骨でアメリカらしく、安っぽい復讐譚になるんじゃないかな。

ストーリーは「出たとこ勝負」の「なりゆきまかせ」な雰囲気が否めず、実際にどこまで主人公が仕返しを狙っていたのかは、読みとれない。だが結果として、ピアニストの家族は不幸せな結末へと進んでいく。

主人公の、何を考えているのかわからない淡々とした表情が、けっこう怖い。薄味な作品だが、そこそこお薦め。

映画:幻影師アイゼンハイム

幻影師アイゼンハイム – 公式サイト

日本では2008年公開だが、imdbなどの資料では2006年の作品となっている。主演はエドワード・ノートン、監督ニール・バーガー。

19世紀末のウィーンを舞台に、幼いころから愛した公爵令嬢との再会、約束したものの果たせなかった逃避行の末に、失望の幻影師(エドワード・ノートン)は、大がかりな舞台で人々を魅了していく。はたして、その真の狙いとは?

つかみがいい映画とはいえないのだが、最後で「ああ、なるほど」という、軽い驚きはある。

エドワード・ノートンは以前から大注目の役者で、何を演じてもかなり役にのめりこむ人だとは感じていたが、この作品では(役柄のせいもあろうが)顔が年寄りくさかったなぁ。30代後半には、見えない(^^;。

彼の変身ぶりでびっくりしたい方は、アメリカン・ヒストリーXがお薦め。純真な少年時代、有色人種を憎悪するに至った青年時代、そして出所後。かなり内容は暗いのだが、まだの方は。。。

映画:イースタン・プロミス

昨日の晩に見たDVD。以前の記事で大どんでん返しのある映画 best22に名前があったので、何となく期待していたのだが。。。
イースタン・プロミス – 公式サイト

ええと、ぶっちゃけた話……
「大」どころか、どんでん返し、ありました?

う〜ん。。。

ロンドンで病院に勤めるアンナ(ナオミ・ワッツ)の元に、瀕死の少女が運びこまれてくる。少女は女の子を産み落としてこの世を去る。

ロシア系の親戚とともに暮らすアンナは、残されたロシア語の日記を持ち帰り、なんとか意味をとろうとする。身元を特定して、赤ん坊が里子に出される事態を防ごうとの思いからだったが、少しずつわかってくるその内容は、ロシアンマフィアの犯罪にからむ深刻なものだった。

マフィアのバカ息子にヴァンサン・カッセル(←なぜこの人はバカ息子役が多いのだろう?)、その付き人的な役割であり組織の運転手がヴィゴ・モーテンセン。残忍なシーンが多いためR指定。

見終わってみると、ストーリーのあらも少しあるし(少女は瀕死になる直前までどういう状況にあった?)、そもそもタイトルの意味がわからなかったのだが(公式サイトには書いてあるが作品中ではっきりと説明されただろうか?)、まあ、総合的に考えて、つまらないというほどではなかった。

見終わるまで気づきもしなかったが、監督はクローネンバーグ。

映画:「ある日どこかで」 Somewhere in Time (1980)

レンタルDVDにて、「ある日どこかで」を鑑賞。
不思議なラブストーリーらしいということだけ頭に入れて、予備知識もなく見はじめたのだが、ラストの展開に胸が詰まってしまった。

以前から大好きだった女優、ジェーン・シーモアだが、80年当時のこの映画における美しさはもう、言葉に表しようがない。主人公のクリストファー・リーヴが、ホテルの歴史展示室で初めてその写真を目にするシーンでは、彼女を見慣れていたはずのわたしでさえ一緒になって見とれた。

物語の舞台は、まず1972年。主人公の初めての脚本による芝居が上演された記念に、仲間たちが集っていた。老婦人はそっと彼に近づき、Come back to me(帰ってきて)とささやいて、手に何かを握らせて去っていった。美しい懐中時計だった。

8年後、有名脚本家となった彼は仕事の筆が進まず、旅を思いたつ。途中で仲間たちから評判を聞いているホテル「グランドホテル」を見つけ、投宿することに。時間つぶしにはいった展示室で、彼は美しい女性の写真を見つける。

親子二代にわたりホテルに勤める老人、アーサーによると、それは1912年にホテル併設の劇場で芝居をした女優のものだとのこと。1泊だった予定を延長し、彼は図書館などで女優について調べはじめる……。

60年待った男を見つけた晩、亡くなった女性。その8年後、男性は彼女のもとに向かう。

未見の方で、ラブストーリーがお好きならば、なかなか味わいがある作品ではないかとお薦めしておく。

水曜日は「相棒」

このあいだ映画版のDVDを見たときにはさほどの思いもわかなかったのだが(ストーリーにアラが目立った)、今日の相棒は「暗くて、いかにもありそう」な話だった。目をほとんどそらさずに見てしまった。

わたしはシーズン1の後半から見はじめたのだが、たしか早期の話で、病気で苦しんでいた民間人を警察官が酔っぱらいだと思いこんで放置し、死に至らしめた話があったと思う。それは実際に起こった事件に着想を得たのかもしれないが、今回の話は警官の無理な取り調べの最中に被疑者が死亡し、それを目撃した署内の同僚の苦悩、真実を追究しようとする動き、それを封じようとする力とが描かれた。

警察の対面を守ろうとしてその同僚に圧力(何事もなかったはずだ、口を慎まないとたいへんなことになるぞとの脅し)をかける上層部。やがてその同僚は重圧に耐えきれず、ある行動に出る。

真犯人と被疑者死亡の因果関係については「そこまでうまくつながるかよっ ^^;」とも感じたが、後味の悪さと「ありそう」な結末は、相棒らしさが全開だった。

来週は以前の再編集特番でゲスト出演した袴田吉彦が再登場の模様。忘れないように見よう。

映画:ライフ・オブ・デビッド・ゲイル

ケイト・ウィンスレット、ケヴィン・スペイシー主演のアメリカ映画。

死刑執行まで約1週間となった男性の弁護人から、雑誌記者にインタビューの依頼がはいる。それは、かつて著名な学者でもあったその受刑者の死刑直前までを、3回に渡って2時間ずつ単独でインタビューしてくれとの指名だった。なぜ自分なのかととまどう記者(ケイト・ウィンスレット)、彼を担当するさほど優秀ではない弁護士、彼女らを尾行するかのような不審な男——時間はまたたく間にすぎる。そしてその3回のセッションを通じ、記者は事件の裏側に強い関心と、迫りくるそのときに対しての焦りをいだくようになる。

よくできた話だと思う。幸か不幸か、ふたりで見ていたため途中で「××の話かな?」という会話があり、ネタはその段階でほぼ予測できてしまった。だがそれにしても、じゅうぶんに鑑賞に値する話だったと思うし、余計なことに頭をまどわされずに余裕をもってストーリーを楽しめた。

アメリカでもテキサス州のあたりでは、まだ死刑制度があるようだが、日本と違うところは数年以内で刑が執行され、その日時も予告されているところだろう(少なくともこの映画で得た情報によれば)。死刑を執行しろ、いやするなといったキャンペーンがおこなわれる。

ネタバレにならない程度にぎりぎりの表現で書くなら、人が人の命を合法的に奪うこと(死刑制度)に対して、強いメッセージを投げかけたい人たちが出てくる映画。

映画:ミスト

スティーブン・キング原作の映画。予告編がなにやらおもしろそうだったので借りる機会を待っていたところ、DISCASから送られてきた。

ある街を大きな嵐が襲い、主人公の家には大きな木が窓をぶち破ってはいりこむ。翌朝、妻を残し、彼はおさない息子と(普段は仲のよくない)隣人男性を車に乗せ、スーパーマーケットに必需品の買い出しに出る。

そこには地元の人たちが、同様に必需品を求めて集まってきていた。昔ながらの街でほとんどの人が顔見知り。そこに真っ白な霧が襲いかかり、顔から血を流した男性が駆けこんでくる。ひとり連れ去られた、霧の中に何かがいると、その男性は叫ぶ。

まったく周囲が見えないほどの乳白色の霧。客たちはとりあえず店内に残るが、具合が悪くなった息子に毛布を探してあげようと、主人公は後方にある倉庫へと出かける。そのシャッターが、外から強い力で押されはじめた…。

怖いのは、外にいる何かよりも人間の心理。だいたいの人が知り合いであるというのに、関係が壊れ、内にも外にも緊張と恐怖があって、目が離せない。

そしてラストは、あまりにも皮肉だ。

けっこう、よくできている映画だと思う。名前の雰囲気が似ているが、70年代くらいのホラー映画「ザ・フォッグ」と勘違いしてはいけない。レベルが違う。

参考リンク:
● TSUTAYA DISCAS – 映画をネットでレンタル
● ミスト – DVD (amazon.co.jp)

大どんでん返しのある映画 best22

eiga.comの記事によると、米情報誌エンターテインメント・ウィークリー誌が掲載した大どんでん返しの映画として、以下の名前があがったそうだ。

やられた!大どんでん返しのある映画ベスト22作品発表

22作品は以下の通り(順不同)。
「セブン」(95)
「シックス・センス」(99)
「ファイト・クラブ」(99)
「悪魔のような女」(55)
「メメント」(00)
「サイコ」(60)
「ユージュアル・サスペクツ」(95)
「猿の惑星」(68)
「アイデンティティー」(03)
「プレステージ」(06)
「ゲーム」(97)
「フォーン・ブース」(02)
「ドニー・ダーコ」(01)
「ソイレント・グリーン」(73)
「マルホランド・ドライブ」(01)
「スター・ウォーズ エピソード5/帝国の逆襲」(80)
「オールド・ボーイ」(03)
「キル・ビル Vol.1」(03)
「12モンキーズ」(95)
「イースタン・プロミス」(07)
「アザーズ」(01)
「エンゼル・ハート」(87)

カッコ内は制作年度。

わたしが見ていない、もしくはストーリーを忘れてしまった古い映画は
ユージュアル・サスペクツ、ソイレント・グリーン、エンゼル・ハートの3本。

イースタン・プロミスもまだだが、これは新しい映画だから、これから見るチャンスはいくらでもあるだろう。

悪魔のような女って、最近になって英語版でリメイクされたシャロン・ストーンとイザベル・アジャーニのがあったと思うけれど、古いほうも見たような気がするなぁ。

以上(わたしが覚えている)18本のうち、お薦めは「アザーズ」