河北新報 2015.04.06 → 快走! 電動自転車 10代に人気
高校生に売れている理由は、ヤマハの東北営業所の人によれば…「自宅が丘陵地の住宅地だったり、上り坂のある高校に通ったりしている生徒が購入しているようだ」とのこと。
バッテリーの持ちがどの程度か、学校で充電させてくれるのか、あるいは予備バッテリーを持ち歩くのかは不明だが、それらの心配がないなら、たいへんよいことかと思う。
ちなみに、苦い思い出をご紹介。
田舎の母は20年ほど前に電動自転車を持っていた。その母が入院することになり、わたしが東京から数日の予定で田舎の家に移動し、そこで泊まりながら、病院までその電動自転車を漕ぐことになった。わたしは車の免許を持っていないし、公共交通機関は当時からすでに、あてにならないほど本数が少なかったからだ。
ほとんどの日は、快適だった。だがあるとき、午前にどうしても持ってきてほしいと言われた身の回りの品があり、一度その自転車を使った。帰宅後に充電しておいたが、午後にまた病院にと言われて、乗った。片道はよかった。だが問題は、病院の用事が終わって市街地から田舎道にさしかかったあたりである。
充電が、切れた。
平地ではない。ゆるやかながらも上り坂である。それが延々とつづく。普通の自転車より重い、電池が切れた自転車を、漕ぐしかなかった。何キロあったのだろう。高校のころには15分もあれば漕げたかもしれない上り坂を、死にそうな思いで、延々と漕いだ。うちの近所まで到着したとき、誰か近所の人が(ただならぬ表情を見て)声をかけてきたのだが、わたしは会釈だけで家に飛びこみ、横になった。
それからしばらくして兄が帰宅し、何をしているのかと(寝ている姿を見て)尋ねたが、説明するのもめんどくさく、ひたすら足を伸ばしていた。次の日は、筋肉痛だった。
…だからわたしは、20年でどれだけ性能がよくなろうと、出先で電源を貸してくれるあてがあろうと、予備バッテリーを持てないなら、ぜったい乗りたくない(笑)。