20年以上前、ロンドンで有名なフィッシュアンドチップスの店まで歩いていって、地元の人は安価な魚とチップス(フライドポテト)を頼んでいるのに、わたしたちは「ハリバットは食べたことないー、ちょっと高いけど美味しいのかな」と、2個注文した。
ほかのお客が頼む魚よりはお値段も張るし、見たからに観光客なわたしたちを、お店の人は気を遣ってくれたのか「チップもつけるのよね?」と再確認、イエスイエスと楽しみに待っていると、で〜んと、まるでピザの箱みたいな立派な紙箱が二つ。予定外。
実はそれを公園で食べたらその足で街をぶらぶらして、たしか、芝居に行こうかと思っていたのだと思う。とてもではないが、この紙容器は持ち歩けない。
まさかフィッシュアンドチップスの箱を持ってホテルにまたタクシーでもどってから出直すわけにもいかず、ほんとうはそういうものを捨てる場所ではなかったのだろうけれども、公園で中身を食べた残りである丈夫な箱は、ゴミ箱へ入れて(正確には無理にねじこんで)しまった。現地のお掃除の方、驚かれたかもしれない。申し訳ない。
さて、なぜこんな話を書いているかというと、新宿伊勢丹の今週の催し「英国店」で売られるフィッシュアンドチップスの店の名前が、もしやそのときの店かもしれないと感じたため。もちろん原材料も何も日本で調達するものだから、お店の名前だけを借りたのだろうけれども、もし出かけられそうなら、ちょっと寄ってみたいと、そんなことを思い出した。