ダイバージェントという映画のシリーズがあるらしい。昨年公開のものが Divergent (2014) で、これをどこかの有料チャンネルでやっていたので、偶然に見た。アメリカでは今年の3月に次の1本(これが現在おそらく日本で公開中?)、その後も2本ほど予定されているのだとか。
最初「この主役の女の子に華がなさすぎる」とか「なんだか若さがなくて、ださーっ」と思ったのだが、前半をどうにかこらえて見ていると、中盤以降、どんどんとこの子が成長してくる。最後のほうはもう、戦闘員である。最初は指導する立場であった大先輩「フォー」と手を組み、未来に向かって突っ走る。
トム・クルーズの「オール・ユー・ニード・イズ・キル」も最初はぜんぜん戦えなかった口先だけのにーちゃんが一流の戦闘員になってしまうわけだが、あれは映画内で話が完結。世界観がつづくという意味では、こちらのダイバージェントには、わくわくしてくる。
未来の北米都市が舞台。戦争により都市機能は廃れている。子供たちは年頃になると適性検査を受けて、ふさわしいコミュニティを勧められる。「無欲」や「勇敢」、「高潔」、「博学」、「平和」のどれかにはいらなければならないが、テスト結果がどうであれ、最終的には本人が選ぶことができる。いったんはいった場所から不適格などで追い出されると、元の家に帰れるとはかぎらず、無所属として社会からつまはじきにされ、底辺での暮らしをしなければならない運命が待っている。
主人公のベアトリスは適性検査で担当者から「適性を”無欲”として入力しておいてあげるが実はあなたはダイバージェント(異端者)、ばれないように気をつけて」と忠告を受ける。ダイバージェントにはすべてへの適性が備わり、他者に染まらず自分の意思を持ちつづける強さがあり、当局がもっとも恐れる存在だった。
少女は「勇敢」を選び、そこで訓練を受けることになる。体力的にも過酷な日々だが、仲間らに劣れば無派閥に落とされてしまうため、訓練をしてなんとか「勇敢」に踏みとどまろうとする。
——余談だが、「フォー」役の男性Theo James(テオ・ジェームズ)は、イギリスのテレビドラマ「ベッドラム」の第一シーズンに主演した人物。わたしは知らなかったが、その後もイギリスのドラマで活躍していたらしい。ベッドラムのころより若く見え、色気があるように感じたほどだが、現在30歳だとか。ジェームズ・ボンド役の可能性について触れている記事もあった。ちょっと若いが、彼ならじゅうぶんにボンドができると思う。