ある大手のフリマ系サイトで買い物をした。ときどき買っている場所で、買うものは入浴剤かスティックコーヒーなど、郵便で送られてきても問題ないようなものばかりだ。今回は別に買っても買わなくてもよいものだったのだが、なぜかその日にだけ使える約1000円引きクーポンがあった。
余談だが、あのクーポンというのは、いったいどういう仕組みなのかわからないが、たまにとてつもなく大きな割引が表示されて、見た方が驚いてしまう。そのときにアクセスした何十人にひとりとか、そういうランダム表示なのか、あるいは買い物傾向などで選ばれているのかはわからないが、わたしのようにそのサイトで買うのはまだ数回目のような人間に1000円前後の割引が出るというのは、仕組みとしておかしいのではないかと思う。だがとにかく表示された以上は使おうと、画面を見ていた。
スティックコーヒー数十本のセットを発見。箱に入れたままだと送料がかかるので中味を出して平らにし、郵便で送るものだ。定価は別にお得ではなかったがクーポンで約1000円が引かれるので、払うのは数百円。即決した。
だが、到着してみて驚いたことには、予想と中味が違った。ブラックだったのである。商品説明にはブラックと書かれておらず、添えられていた写真もブラックとは書かれておらず、おそらく出品側は「この写真を見ればわかる」な発想で(有名メーカーだから箱を載せれば分かると思ったのではないか)、そしてこちらは「ブラックと書かれていないから普通のだ」と考えて注文。ブツが送られてきた。
別に不良品ではない。きちんとブラックかどうかを書いて出品している人もいるが、その人はそうではなかったというだけの話だ。これがフリマ系サイトではなく楽天などの通販サイトで相手が店であったなら「商品は不良ではないですが商品の説明が不十分では」と書ける。しばらく迷って、わたしは何も書かずに受取済み評価をしてこの件を終了した。
相手が個人(しかもこちらは相手の連絡先を知らないが相手がどこまで知っているかは不明)であり、こちらの支払い金額が数百円で、受けとったブツに問題があったわけではないから飲めることを思えば——もめ事になるリスクを考えただけで、気分が暗い。それならばもう、フリマ系サイトはほどほどにということにして、忘れてしまいたい。
20年以上前だったと思うが、まだ楽天フリマのシステムが簡単で決まり事が緩かったころ、出品側として利用していたことがある。いまにして思えばやや苦言のようなことをこちらに伝えたかったのかと思う取引相手もいたが、大げさな話にはならなかった。1件のみやや不愉快なやりとりがあったが、その件のころを境に、出品をやめてしまった。
やはり、肝を据えて相手とやりとりをする覚悟のない、個人という立場である以上は、フリマ系サイトは大きな期待をもって利用しないほうが、正解かもしれない。