このところ、戦争にからんだ映画を見る機会が多い。「将軍たちの夜」もそうだし、こちらには書かなかったが「愛を読むひと」も。
そして今回は、縞模様のパジャマの少年。
家族がDISCASに予約を入れておいたものなので、まったく予備知識なく見たのだが、終わり方に驚いた。終盤になって、あれよというまに話の流れが変わり…。見はじめた最初から共通する独特の暗さに気づいていたが、終わり方のむなしさも「パンズ・ラビリンス」を思わせる。
主人公の少年が親の仕事の都合で慣れない土地に引っ越し、遊ぶ相手もなく孤独な日々を送るうち、ようやく見つけた同年代の子供は、縞模様のパジャマを着ていた。ユダヤ人であるがゆえの囚人服なのだが、何不自由なく育った少年には、ユダヤ人のおかれた状況がまったくわからない。
実は少年の父は、少年が農場と信じていた場所(ユダヤ人収容所)の所長で、家族に細部を話すことはけっしてなかったが、残忍な処刑もおこなっていた。やがてその秘密に気づいて精神的に追いつめられていく妻、家庭教師の影響で極端な思想を持つにいたる娘、そして子供同士の秘密の交流を持つことになる主人公、それぞれの立場が描かれていく。
少年は、この物語の最後の瞬間まで無垢な心を持っていた。
参考リンク:
○ パンズ・ラビリンス 通常版 [DVD]
○ 愛を読むひと (完全無修正版) 〔初回限定:美麗スリーブケース付〕 [DVD]