こんにゃく入りのゼリーを販売している企業が何社あるのかは知らないが、自分が食べて記憶しているのはマンナンライフの蒟蒻畑だけなので、いちおうその商品の知識で以下を書く。
どうしても、こんにゃくゼリーを問題視する姿勢が強硬のように感じてしまうのだが、なぜくり返し何度も言われるのだろうか。
たとえば今日のasahi.comでは
こんにゃくゼリーの窒息、重症率85% 消費者庁分析
> こんにゃく入りゼリーによる子どもやお年寄りの窒息事故防止策を検討している消費者庁は30日、都市部を中心に2006〜08年に救急搬送された約4千件の窒息事故のうち、同ゼリーが原因となった事故の85%が、命の危険がある「重症」以上だったとの分析結果をまとめた。
としつつも、次の段落を見ると
> 東京消防庁や政令指定都市の消防当局などからデータを集め、窒息事故4137件のうち原因食品がはっきりしている2414件を分析。その結果、同ゼリーによる事故は7件と件数は少ないものの、うち2件が「重症」、4件が命の危険が切迫している「重篤」だった。406件あった餅は重症・重篤・死亡の重症以上の事故が54%、アメ(256件)は1%だった。
7件のうち重症が2件で4件に命の危険があったことを「85%」と見出しに書くのは、なんなのだろう。これは消費者庁の元の表現にあったのか、あるいはasahi.comが独自でこうしたのか(消費者庁のサイトを見たが、ざっと見ると85%という表現は見あたらなかったようだ)。10にも満たないこれだけのデータで、85%という数字を書くこと自体が、常識的ではないと思う。
上記の記事で餅を考えるなら、406件の54%だから、219件が危険だったということなわけで、絶対的な数字がまったく違うものをパーセンテージで一列にしてしまうのは、乱暴すぎないだろうか。
餅は、毎年正月になると高齢者など数名の方々がお亡くなりになる。知識と経験で餅が危ないことをじゅうぶんに知っている年代でさえ、運が悪ければ亡くなるわけだ。だが餅を正月に禁止にしようという話は聞いたことがない。また、餅でなくとも、袋の表示を読まなかったり正しい食べ方をしないために危険となる食品は、ほかにもやまほどあるように思う。
まして、マンナンライフに関しては、製造をいったん中止し注意書きを増やす、弾力を工夫するなどの改善をおこなったように記憶している。それでも、まだ足りないのだろうか。それとも他社製品での努力が足らないということなのだろうか。
ちなみにわたしは、蒟蒻畑が食べたいから市場から消えないでほしいと書いているのではない。自分から好んで買ったことは、ほとんどまったくない。ただ、なぜこのタイプの商品がこれほど叩かれるのかが、気になってしまう。