以前に話題になったホラー(?)映画「パラノーマル・アクティビティ」をレンタルDVDで。
事前に聞いていた話としては「家の中に何かいるのでビデオで録画してみよう」というストーリーとのことだったが。。。
ホラー映画ファンにとっては絶望的なまでに、まったく怖くない。。。ドキッとするシーンは少しあるが、それはたとえば、どんな映画だろうと起こりうるような、予想外の場所で大きな音がしたなど、見る側の気持ちが油断しているときの「ドキッ」であり、本質的に怖いところはひとつもない。
で、なんでこんなにつまらないのだろうと考えてみた。
主人公のひとり、男の側で考えるなら、自分と暮らすことになった女が、小さいころからときどき何かに取り憑かれて、変なものが見えることがあったという話を「暮らしはじめてから」うち明ける。じゃあそれが何なのかたしかめようと、ビデオ録画を開始するが、女の側はそれを喜ばない。男が何か自分なりに案を出して実行しようとすると、そのたびに女が反対して、喧嘩になる。
女の側は、幽霊の専門家に家を見てもらう。ちょっと話をしただけで、その専門家は「わたしは人霊が専門で、悪魔は誰それさんの専門です。今後はそっちにお願いします」と帰ってしまう。ではその誰それさんに連絡をとろうとすると、一緒に暮らしている男が自分なりの意見を強く出して反対する。このままでは霊(悪魔?)を刺激して、怒らせてしまうのではと心配である。
(音を立てるのは霊か悪魔しかいないという二分割も、すごいなぁ。。。 ^^;)
というわけで、男は自分なりに実験を主張し、女は反対し、話はまったく進まない。。。昼間は喧嘩で、夜は少し不思議なものがビデオに映るか、奇妙な音が立つ程度。
最初は気のせいかと思っていた男は、少なくとも数日目からは(相手が何であれ)何かがいることは認識していたはず。それなのにビデオ撮影とか、相手と交信してみようとか…。睡眠と生活を脅かしている存在にたいして、そんな悠長な実験をしている気持ちの余裕が、どこにある? 人に片っ端から相談するなど、もっと真剣に考えるのが普通の社会人。
女は女で、紹介された専門家と連絡をとることばかり考えていて、自分のせいで相手に迷惑をかけていることも考えず、不満たらたら。何かへの恐怖より、不満のほうがよく表現されている。
つまりだ、このふたりは一緒にいる理由が何もないというか、ほんとうに愛し合っているのかすら、見ている側に伝わってこない。脅威に対して一緒に闘ってもいない。
ここまで書いてしまったが、それでもご関心のある方は、どうぞ(^^)。