今朝、大韓航空機事件でいったんは死刑判決を受け特赦となった金賢姫さんと面会したことを、記者会見で報告する横田夫妻をテレビで見て、つくづく感じた。
聞くところによると、去年の3月に拉致被害者のご家族である飯塚さん親子と対面したあと、5月くらいに、金賢姫さんと日本の政府関係者のあいだで、実は横田めぐみさんと会ったことがあるという話が出ていたという。そのこと(会ったという事実)が今回の来日に大きく関係しているのだろう。
今回の面会に先立ち、その「めぐみさんと会った」とされる際の内容がマスコミから一部紹介されていた(曰く「妊婦時代のめぐみさんと会った」、「お好み焼きを作ってもらった」)ようだが、横田夫妻の記者会見によると、会ったのは妊婦のときではなく、お好み焼きを作ってもらったのは金賢姫さんではなく同僚であったとのこと。
日本政府の関係者と金賢姫さんが話した内容が、日本で上層部に伝えられ、そこからマスコミに話が流れたのだろうが、そのたった3ステップで、ここまで話がずれるのだ。しかもたった1年ちょっとのあいだにである。
これを思うと、どこの誰がどういう根拠で耳打ちしたか不明またはあきらかにされない情報(たとえば今朝の中井大臣の発言「田口八重子さんは6〜7年前まではお元気だったと聞いている」など)は、ほんとうに発表に値するのだろうかと、首をかしげてしまう。少なくとも、ご家族のみなさんにお話しするだけでいいのではないだろうか。
政府はきちんと調べて情報をつかもうとしているという世間向けのアピールであるなら、この際どうでもいい。ほんとうに役に立つ情報を、関係者にのみ最優先で伝えれば、それでいいように思う。
拉致被害に遭われた方々の帰国と真相の解明を、心よりお祈りします。