ずっと見たいと思っていた作品が、DVDでレンタルされていた。
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池上季実子、神保美喜らが十代のころの作品だ。導入部とラストにはそれぞれ、浮世離れした美しさの鰐淵晴子がたっぷり拝める。大林宣彦監督が、何をどう撮りたかったのか意図ははっきりわからないが、30年以上のときを経てわたしが思うのは「きれいどころをきれいに撮ったなぁ」ということのみ… (^^; 。
気の毒なのは出演シーンの多さも役どころも主役級なのに、まったく印象に残らない南田洋子。若い女を食べていく「家」という化け物で、ひとり食べるごとに元気になって若さがもどっていくという話なのだが、途中から(さすがに南田洋子さんが十代の若さになれるはずもなく?)、主人公である池上季実子で「家」を表現していくため、存在が薄い。
池上季実子は、最初の数分「喜多嶋舞の若いころに似てるな」と思ったのだが、さらに見ていると、もうどうしても石原さとみに見えてきて仕方ない。そっくりだ。いままでそのふたりが似ていると思ったことはなかったのだが、石原さとみが20年もしたら、池上季実子に似てくるのだろうか。ちょっと楽しみ。
ストーリーは、あってないようなもので、池上季実子の母方のおばさま宅に泊まりに出かけた女子高生らが、ひとりひとり食べられていくというもの。大林監督のこのころの作品に多い(ともすれば幼稚に写る)画像処理により、怖さはかけらもないし、むしろこっけいなほどなので、怖いのが苦手という方にも安心してご覧いただけると思う。
ラスト数分、鰐淵晴子(←往年の美女で、先祖はハプスブルク家にたどりつくとか)の意味不明なシーン(ひたすら美しさのアピール)が延々とつづいたあと、当時17歳くらいだったはずの池上季実子が登場。和服を着たその足さばきのすばらしさ。さすが歌舞伎の家に生まれた人は、十代からこうなのだなと、ため息が出る。
神保美喜の健康的なアクションシーンは、なかなかよいかも。いまで表現すれば「萌え」な感じもする。
まるで関係ないが、鰐淵晴子のシーンを見て「滝川クリステルでリメークできる」と、家の者が笑っていた。泣いてばかりでわけがわからない大庭久美子の人物設定は、もし今後リメークされるようなことがあったとしても、大きく変更されることだろう。こういう登場人物は、当時の映画でならば、受け容れられたのだろうか。。。(^^;