地震と津波被害のあとで福島県知事と対談し、その直後に記者団を前に「原発推進論者です」と言う知事やら、「原発を推進してきた立場として間違ってはいなかった。(謝罪するつもりは)ない」と言う閣僚やら、「今後も原発が経営の柱でありつづける」と言ってしまう大企業の社長やら…
…それ、いまこの状況でよく言えるなぁと思うような言葉を、連日ネット上の新聞サイトで目にする。
人はどんな意見を持とうと、そしてそれを言おうと、原則として自由ではある。だが立場がある人なら影響力も絶大だ。時期をずらしたり、表現をちょっと変えたりすることで、少しでも傷つく人が減るなら、それなりの配慮があってしかるべきではないだろうか。
わたしは原発が減らせるならすぐにでも減らすべきだし、ゆくゆくはなくしたほうがいいと思う。心の底からそう思う。
都民や首都圏の人間が節電をするのは東京電力管内で不測の大停電がおきたら困るからであって被災地をおもいやってのことではないと、憤る人もいらっしゃるかと思う。実際、そういう動機もあるかもしれない。
だがもっと長い目で見れば、都民や首都圏の人間が適度に節電をすることで「原発は減らせるかも(なくせるかも)しれない」という、将来への強いメッセージになる可能性もある。
これまで地方の方々に原発を押しつけてきた首都圏の人間が、適度な節電を長期にわたりつづけ、口を慎み、謙虚な心を持つことで、もしかしたら地方や全国に、恩を返せるかもしれない。そんなふうに思う。