ステルスマーケティングを略してステマというらしい。ステルスは目に見えないとか、気づかれないという意味。企業側にしてみれば「友達や有名人が自主的にクチコミしているのかも」と誤解してもらいたい宣伝方法。
わたしはネット上にある「バウムクーヘン」とか「物産展」という単語をよくチェックしているので、どこかの店で「このバウムをブログに書いて」とキャンペーンをやったら、すぐわかる。みんな同じ店のバウムクーヘンを似た文章で書きはじめるから。
正直、節操ないなぁと思うが、それで特典が出ると思えばやってしまう人の気持ちも、わかる。
わたしも(日清食品はステルスではなくおおっぴらだったが)ツイッターでカップヌードルの「ヌードル食えすと」というゲームに参加してカップヌードル20個をゲットしたことがあるので、わたしの周囲の方々はその期間ずっとわたしから「カップヌードル」という単語入りのツイートを受信し、苦笑されたことと思う。
むしろ、キャンペーンなどだとわかりやすい「ある一定期間だけブログで取り上げられる」スタイルのほうが、実害が少なく可愛いものかもしれない。逆に、フードライターやグルメな記事を書く人たちの文章で「これってカネまたは大人の事情で書いているんだろうなぁ」と、うっすら事情が透けて見えることがあると、興ざめする。でも、たいていの人はそれに気づかず「やっぱりメディアに取り上げられて、すごいな」と思うのだろう。
カネにかぎらない大人の事情というのは、たとえばだが、名の知れたライターさんが「わたしこの店の○○がとっても美味しいと思ってます、ほんとは人に教えたくない」などと…書けるわけがないのだ。急に人が殺到したり、普段から利用していた地元の人たちが買えなくなるなど、影響をいろいろ考えてしまうだろう。だから、味や希少価値が多少は下がろうと大手の商品なら誰に迷惑をかけるわけでもないし、いまさら売り上げに貢献もないだろうという無難な立場。それを大きめに書いていくことは、仕方ないのかもしれない。
その点わたしはプロのグルメ評論家ではないので、あまり知られていない店や、ネットに情報がない店は、進んで書いてしまう。誰にも気兼ねがないので、本音で書いている。
数日前、「食べログ」に、掲載店からカネをもらい好意的なクチコミを書いている業者が39ほどあるとの報道がなされたが、よくまあいままで話題にならなかったものだと思う。そんなの、ないわけないのだから。