コーエン兄弟による監督作品。1969年にもジョン・ウェインの主演で映画化されているそうだが、わたしは見ていない。
父親を殺された少女が、その犯人も、逃げた先もわかっているのに人手が足らずに誰も追いかけない状況を知り、知恵をしぼってかき集めた金で連邦保安官(腕はいいのかもしれないが見たからに飲んだくれ)のコグバーンを雇う。犯人のチェイニーを古くから追っていたテキサスのレンジャーも加わり、3人での道中がはじまる。
主演のひとり、少女役のヘイリー・スタインフェルドがすばらしい。撮影時の年齢は13歳くらいだっただろうが、利発で、決意に満ちた表情。先が楽しみな女優。
ジェフ・ブリッジスは、クレイジー・ハートもそうだったのだが、見ている途中で「このおっさん、30年前はスターマンだったんだよな、かっこよかったんだよな」と、何度思ったことか。この数年、ほんとに飲んだくれが似合いすぎて、スターマンが遠ざかる。。。(苦笑)。。。それだけすごい役者ということなんだが。
よく、有名な役者が亡くなったとき「○○役で知られる俳優のなんとかさんがお亡くなりに」と表現されるが、たしかリチャード・ハリスはフジテレビのニュースで「ハリポタの校長先生」と表現されて、わたしはのけぞった。ジェフ・ブリッジスに将来もしもの日があったら、なんと言われるのだろう。長く無冠の帝王だった彼が賞を取ったのはつい数年前のクレイジー・ハートだが、おそらく人は「トロンの」、というかもしれない。でもわたしにとってはスターマンなのだ(←しつこい)。
マット・デイモンが演じたテキサスレンジャーは、最初のうちつかみ所がなくて「どういう役なんだこの人」と思ったのだが、後半になり、ジェフ・ブリッジスとのからみが増えてくると、なかなかいい味になってきた。彼も、いつまでもジェイソン・ボーンじゃないんだものな。やはり、味のあるおっさん役に突き進んでもらいたいものだ。