おそらくヨーロッパのどこかに伝わる民話だったと思うが、ストーンスープというものがある。
いろいろ話はあるが、だいたい大筋はこんな感じで…。
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腹を空かせて、よそ者が村を通りかかる。食べ物をわけてくれと言われても、村人はみんなしぶって、何も出さない。そこでよそ者は一計を案じ——
「石で作れる美味しいスープがあるので、鍋を貸してください」
村人は半信半疑で、鍋を渡す。
あれよあれよと、人だかりができる。
男(←仮に男と書くが話によっては単数だったり小規模集団だったり)は、石と水のはいった鍋が沸いてくると
「あ〜、塩があったらもっと美味しいのにな」
「卵でもあれば、な」
などと、具材をつぶやきつづける。すると人だかりの中から次々に具材が提供され、鍋の中身はどんどんとふくれあがる。
できあがったスープは、もちろん村人たちに具材を提供してもらったスープなのだが、なぜかみんなが「珍しいものを食べた」と、幸せな気分になっている。
村人があとで気づいて悔しがるというバージョンも、たしか目にしたことがあるが、食べたとき幸せだったという筋は変わらない。
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消費税がどうの、文楽の補助金カット(大阪市)だの、いろいろ不景気で寂しい話ばかりが目につくが、政治家は立場の保全に関する根回しばかりしていないで、みんなが楽しくわくわくとカネを使えるようなもの(もしくやサービス、機会)を創出し、その結果から税金を吸い上げていくような、頭のよい方法を考えてほしいものだ。