1954年9月に、高校の同好会「あゆみ会」責任者の森田さん(当時高校2年生)が、北海道新聞に「(同会が)共産党の活動に参加」と誤った記事を書かれたため、抗議の自殺をした事件があったそうだ。
北海道新聞 2014.09.22 → あゆみ会事件風化させない 新聞の誤報に抗議、深西高生自殺 60年経て本出版
ネットで検索してみたところ、残念なことに、この本の出版について紹介する記事がいくつか見つかっただけで、掘り下げたような詳細記事はなかった。
(Wikipedia:北海道深川西高等学校に、多少の記事あり)
実際には、すでに風化してしまっているところを掘り起こした…というのが、事実に近いのかもしれない。
当時の世相は想像するしかないが、事実と異なる思想を持っていると書かれたことは、そう疑われて自殺するほどに、重いことだったのだろう。違いますと言うだけではたりないのだ。誰も聞く耳を持たないことへの恐怖。心ない噂や偏見の目が、濁流のように生徒たちを呑みこんだものと想像する。
思想の抑圧がいまにもはじまりそうな現代の日本において、こうした過去の事件が受け継がれずに埋もれてきたことは、とても残念なことかもしれない。いまからでも遅くないと、そう思いたいが、最近はくじけそうになるようなニュースばかりで、気が滅入ってしまう。