日本にエボラ発症者が出るのも、時間の問題ではないかと思う。そのとき、現在報道されているような体制(限られた場所でのみの診察と入院、検査)では、とうてい追いつかなくなると思われる。どう対処していくのだろうか。
本日エボラの検査をすることになったと話題が出た東京都の男性は、経過観察中であっても、発熱を検疫所に伝える前に最寄りの病院に出かけて一般の診察を受け、帰宅後にしばらく寝ていたらしい。なんとのんきな…と思う人もいるかもしれないが、この男性は「ちゃんと正直に空港でリベリア滞在からもどったことを伝えただけまし」という考え方が、じゅうぶんに成り立つだろう。今後は、どこを経由したか、どこに滞在したかを正直に言わない人が増えてくる可能性もある。いや、すでにそうなっているかもしれない。
かといって、エボラ発生国から飛行機でもどった人を、自己申告のほか半強制的な手段で調べて、健康状況確認のため3週間も施設に入れておくわけにはいかない。そんなことをはじめたら、人権問題だ。それに中には乗り換えだけの人もいるだろう。検疫で何週間も留め置かれるくらいなら、料金が割高になっても遠回りをして検疫の緩い空港で乗り換えるという人が出てくれば、ますます混乱に拍車がかかる。
これはやはり、致死率を少しでも減らす薬を、1日でも早く作るしかないのだろう。たとえそれがどれほど遠い先のことでも、病気にかかったら薬があると思っていられる世の中でないと、人はどれほどにかパニックを起こし、社会は大混乱になるはずだ。