最近のことらしいが、こんな話を読んだ。カナダの夫婦がハワイに旅行中に妊娠35週の奥さんが破水し、そのまま6週間の入院になった。奥さんと、帝王切開で生まれた新生児が手厚い看護を受けてようやく退院となったところ、もろもろの費用で1億1300円ほど請求されたというニュースだ。海外旅行の保険ではそれらはカバーされなかったという。仮にカバーされたとしてもそれは奥さんの分だけで、費用の大半を占める新生児のケアは、被保険者は母胎であったため、支払われなかったはずだそうだ。
この話を紹介していた人たちが「マタ旅」という言葉を使っていたので検索したところ、出産後では海外旅行はしばらく無理なので、妊娠中に海外旅行をしておこうという話題の流れが、最近あるらしい。
不安では、ないのだろうか。日本の場合は陸路で外国に行くことができないので海外旅行をちょっと気軽にというわけにはいかない。それにわたしは妊婦が何をしていい悪いという一般的な決めつけをするつもりはないのだが——。素人考えではあるが、奥さんに不安は、ないのだろうか。
何が起こるかわからないのが遠距離旅行だ。トランジットがうまくいかなかったり、予定外の場所で半日の予定が潰れるとか、さまざまなことだ。わたしは気をつけるべきなのが自分の体だけであっても、長距離移動を前にするとあれこれ考える。
完全に自由意思で、ほんとうに行きたくてマタニティ旅行に出るのであれば、何の問題もない話ではあるが、周囲が気軽に楽しんでいるから自分もきっと大丈夫という気持ちが働いてしまうのだとすれば、やはり慎重になったほうがいいように思う。