大阪の中学校で仕出し弁当形式の給食が不評であり「食べ残し7割」であるという見出しが、目に飛びこんできた。
2015.01.19 毎日新聞 → 大阪市の学校給食:おかず冷たい 食べ残し7割
驚いて本文を読むと、全量を食べていない生徒が7割以上になる…というものだった。見出しを見て「全体の3割しか消費されていない、7割捨てられている」と勘違いする読み手も、いるのではないだろうか。
給食を完食する生徒の全国平均が何割かは不明だが、市教委による生徒への意識調査で出た数字のようだ。
市教委が昨年6月に実施した調査では、給食を「全部食べている」と答えたのは10・8%。これに対し、「ほとんど食べていない」29・0%▽「少しだけ食べている」18・2%▽「半分くらい食べている」26・2%で、給食を食べ残しているのは計73・4%に上った。
おそらくは給食センターへ残飯が返されるようなシステムと異なり残飯量を確認することはできず、意識調査に頼らざるをえないのかもしれないが、文章のところどころに、書き手の思いを感じてしまう。選べない現状に「不満がある」側に、書き手が感情移入しているようにも読めるのだが、考えすぎだろうか。
たとえば食品衛生上の理由から、到着した弁当のうち、おかずは冷蔵されてしまう点に話の主眼があるようにも思うが、おかずが冷たいという点から不評であると書いた同じ段落に、食べ残しを出さないために「ふりかけ」を持参させることへの是非が取りざたされたこともあるとの話がつづく。いや、それではライス部分だけの解決となり、おかずは関係がなくなってしまう (^^; 。つながりがよくわからず、はしょりすぎである。おそらくわたしのようにこの件をあまりよく追ってきていない人間には、読み落としてしまう「行間」があるのかもしれないとは思うが。
7割という数字がうさんくさいような、誘導の気配があるという印象をいだいてしまったために、どうも素直に読めない記事となった。
橋下市長を市教委がおもしろくないと思っていることは想像できるし、親の側にも「選べない」ことに不満を持っている人がいるかと思うが、わたしのように橋下氏の言動を普段からおもしろく思わない人間でさえも、これはちょっと大げさではないかと、考えてしまった。