ようやく見終えた、ブレイキング・バッド。以前に一度Huluにあったのだが、短期間でいったん終了してしまい、多くの人が悔しがっていたのを覚えている。そのときはさほど見たいと思わなかったのだが、何ヶ月か前にスーパードラマTVで全シーズンを集中放送した際、またHuluにも作品がもどった。そのときに気前よく全シーズンが公開になったので、また消される前にと一念発起、暇を見てはこつこつと視聴していた…というわけ。
Huluでは、字幕版と吹き替え版がそれぞれ62話ずつ公開されている。
DVDは、字幕なしの輸入盤なら格安だが、日本語対応だと全シーズンを見たら数万円になってしまうようだ(この画像はAmazonから)。
さて、あらすじ…。どこまで書いていいのだろう。う〜ん、できれば見ていただきたいので、さわりだけ。
高校の化学教師ウォルター・ホワイトが主人公。自身が癌を患っていることに気づき、ある程度の金を家族に残そうと、化学の知識を使って高品質のメス(覚醒剤の一種)を作ることを思い立つ。彼の義弟はDEA(米国の麻薬取締局)の現役捜査官だが、彼に同行して現場の知識を得ようとしているところに、かつての教え子ジェシー・ピンクマンが目にとまる。どうやら知人と安いドラッグを作っているらしい。ウォルターはジェシーに近づき、自分と組めば金になるからと誘いかけて高品質ドラッグを製造開始。
もっと売りたくなってルートを拡大しようとしたり、本職のマフィアとやりあっているうち、いくつもの危険に遭遇するふたり。だがウォルターはのし上がり、どんどんと悪い人間になっていく。その「悪の道への加速度」が、半端ではない。これはもう、悪人などという言葉では生やさしい。
周囲の人間は、これでもかという具合に不幸になっていく。ジェシーは引きずられて同じ道を歩まされている立場であるが切羽詰まった状況に追いこまれれば罪をおかし、手を汚す。ふたりは何度も争い、ジェシーはかろうじて人間らしい気持ちを持ったままでいるがウォルターと手を切るチャンスはなかなか巡ってこず、仮にあってもそのたびにウォルターの都合でまた呼び寄せられる。
周囲の人間たちがどれだけひとりの人間で不幸になるか、おそらく誰も、第一シーズンでラストを予測できる人はいなかったと思う。
これは、ひさびさにすごい作品と感じた。
さてジェシー役のアーロン・ポール、いい役者さんだ。またどこかの作品で、会えるかな。