今日は噂に聞く「ハッピーロード大山」という商店街を少し歩く機会があった。以前から、都内ですら最近はシャッター商店街の危機に瀕している場所が多いというのに、この商店街だけは「やたら元気がいい」という噂だったのだ。
だがさすがにそれを聞いてから数年経っているので、そこそこシャッターの気配があるのかと思ったのだが…まるでなかった。いや〜、いまどき珍しい。
東武東上線の「大山」駅の近くに複数ある商店街のうち、ハッピーロード大山は、けっこう長いものだ。目的地への移動前に30分以上も時間が余っていたので、ぼーっと歩いてみたが、なにやら昔っぽい商店街で、活気がある。
ここでわたしが勝手に考える「わりと健全な商店街」と「そろそろやばいんじゃない商店街」について書いてみる。
そろそろやばい系ではないかと感じられるのが、ケータイ電話屋、リサイクルショップ、古着屋など「飽和状態に見えるのにいったい何店舗あるのか」と思えるほど比率が高い場所。とくにケータイ屋。これが多すぎると、なにやら不穏な気配。あくまで主観ではあるが、地元に根づくことなくいつでも移動できる商売に感じられてしまうのだ。それが多いのは(適度ならもちろん問題ないが)、不健全。リサイクルショップ、古着屋も、適度なら必要な商売であることはもちろんだが、これも土着の店舗である必要があまりない。もちろん古着は古着でも「こだわりのビンテージ品をわざわざ仕入れに行ってまでそろえている」というのであれば、話は別だ。
いっぽう「わりと健全」と思えるのが、スーパーや飲食店が若干目立たないところに引っこんでいて、それ以外の業種がバランス良く並んでいるもの。今日のハッピーロード大山も、2軒ほど見かけた中規模の食品スーパーのようなものはほんの少し商店街から引っこんで(たとえほんの数メートルでも奥まっていて)、しかも両者が離れていた。総菜屋や飲食店は食品好きには物足りないほどまばらだったし、見つけたいと思っていたパン屋などは連れが「匂いがしたからこの路地を見よう」と警察犬のようなことを言ってようやく1軒探し出すことができたからよいものの、歩きやすいメインの場所には見当たらず。
(もっとも、食品・飲食系は、商店街が延びる直前の駅近くに集中していたので、急ぎの人や土着以外の人々はそのあたりでチェーン店などにはいる選択肢は、じゅうぶんにある)
これくらいだと、おそらく需要と供給が合っている商店街なのかなという気がする。慣れていれば路地裏や目立たない場所の飲食店、食品店は見つけられるし、それ以外の店が目合っていても問題なく、全体として長続きするのではないかと。
阿佐ヶ谷のパールセンターという商店街もかなり長いのだが、ここは地元の人々に言わせると、味がなくなってきたようだ。わたしも半地元民の立場であるため、失礼ながら同じような印象をいだきつつある。チェーン店が増えてきたし、入れ替わりも大きい。そしておそらくは初期投資をしてでも見栄えをよくしたい「張り切っている店」と、昔からある地味な店のギャップが、入れ替わりの速度がめまぐるしいために目立ってしまうのだろう。ゆっくりと数店舗ずつ入れ替えがあればそれらの変化も気づかれにくいが、なにやら、方向性として古さと新しさのバランスが悪いような印象を受けることもある。
高円寺の商店街(とくにルック)は、古着の店ばかりになってシャッターも増え、曜日や時間帯によってはかなり寂しい場所になってしまっているが、こちらもかなりの長さを誇るので、もったいない話である。長さはたっぷりあるのに、JR高円寺と地下鉄新高円寺(両端)以外にあまり目玉がないから、どちらか側の入り口に近い場所のみ元気が出やすいのだろう。中間に何か目を引く場所もしくは交通に便利な何かがあればよいのだろうが、なかなかそれも難しい。
そうだ、ルックの真ん中あたりに人力車か自転車タクシーのロータリーでも作って、買い物客を安価で乗せたらいいのではないだろうか。おもしろそうだ。。。いや、わたしはいい、恥ずかしいから歩く(笑)。
最後に、高円寺の北口方向の商店街であるが、駅近くはそこそこ問題ない。あづま通り商店街は少しだけシャッターが多めかもしれないが、高円寺銀座とそれにつづく庚申通り商店街は、まずまずである。店の入れ替わりは激しいが、それなりに徒歩の人間の行き来があるので、需要がある店ならばうまくいくのだろうと思う。