どこかの国の首相が、自国のことを「陰徳を積んだ70年」と言ったらしい。恥ずかしい。こういう言葉の使い方は、一国の代表がすべきものではないと思うが、それを誰も表だって突っこむこともたしなめることもせず、「そんなことを自分で言うのか」と書いているのは、ざっと見たかぎりいくつかの個人ブログだけのように見受けられる。
東京新聞 2015.04.16 → 首相、戦後日本「陰徳積んだ」 70年談話会合でODA貢献評価
日本は陰でいろいろがんばってきた70年でしたよねと、自国のことをそう言いたいのだろう。だがそれを「陰徳を積む」…これは言葉のセンスの問題で済まされるのだろうか。主張すべき点、世間に訴えておきたい功績は、謙遜しないでふさわしいタイミングを見てそう言えばいい。だがそれは「陰徳」と自分から言うことでは、けっしてないはずだ。