わたしにとってビデオ通話というのは、もっとも「ありがたくない」機能のひとつなのだが、ついにFacebookメッセンジャー(専用アプリ)にも搭載されるらしい。いや、正確には、日本以外の17カ国では実装済みとのこと。日本にもいつかやってくるだろう。
マイナビニュース 2015.04.28 → Facebook、「Messenger」アプリをビデオ通話に対応
自分だけに関係する機能なら、使わなければ何の問題もない。だがもし、将来誰かが(相手がビデオ通話を嫌っているなどとは思いもせず)ばんばん呼び出しをかけてきたら、わたしのように生活感のにじみ出る室内で20年前のオタクよろしくパソコンやモバイルでネットしている人間には「人に普通に見せられる背景はひとつもない」のである。本か洗濯物か地味なカレンダーのかかった壁か、そんなものばかりだ。かといって通話呼び出しを断ってばかりでは、いられないだろう。
おそらく、こんな機能が充実した暁に潤う企業もしくはサービスは、顔の周囲に半径40センチくらいのサイズで(ワンタッチ傘風に)広がる「グラデーション背景」とか、室内用のテントもしくは撮影ブースである。ビデオチャット呼び出しにはそこにはいってから応じる。テントの内側は背景が変えられる仕組みになっていると割高とか、あるいはプロジェクションでいい風景が流れるとか——。なにせこれからの時代、相手が録画しないという保証はない。生活感がにじみ出すぎるありえない室内を勝手に録画されては困る。ぜったい流行るぞ、こういう製品。
あるいは、寝ぼけた顔やくしゃくしゃのパジャマを見られないように、顔以外の部分は好みで絵(たとえば花柄の枠)を自動で入れるサービスとか(笑)。
…まぁ、普通の通話すら1ヶ月に数回しかなくなった世の中で、これから商売でもはじめるつもりがないなら、急にビデオ通話をするような知り合いが爆発的に増えることはあるまいが、とにかく、わたしにとってビデオ通話は要らないものだ。できるだけ使わずに済ませたい。