かつて台湾に暮らしていた現在106歳の女性が、最後に現地の人と連絡をとりあった20年くらい前の住所へ手紙を書いたところ、すでに宛先が不明となっていた。だが日本から厚い手紙が来たのだからと、配達の若い職員さんが、一生懸命に受取人を探してくれたという。
asahi.com 106歳が台湾へ手紙 郵便局員、宛先の教え子探し出す
こういう丁寧な人がいてくれるおかげでちょっとした縁がつながって、それが大きな輪になることがある。ありがたいことだ。
わたしも3月ころだったか、まさかと思っていた運がめぐってきて、とても当事者に連絡をとれるなどと思っていなかった内容を直接メールで確認させていただく出来事があった。人と人の縁を粗末にせずに、最低限の礼儀をもって接していれば、いつかきっといいことがあるものだ。
実はこのところ、ちょっと気になることがある。小さいつもりかもしれないが悪意の種を蒔く人と、結果としてそれに加担してしまいかねない情報の受け手側についてだ。
たとえば今日もある記事に、Facebookでお友達が「いいね!」を押していたのだが、その内容がおかしかった。あれ、変だな、と…。
そこで調べてみた。すると、元ネタの本文(英語文章)中にはKorea(韓国)という単語は1回しかでてこないのに、紹介されている日本語文章の中では、韓国は3回くらいでていた。それがよい内容なら、別にかまわない。だが原文に1回しか出てこず、しかもそれは補助的な単語であってことさら強調されていたわけでもないのに、日本語では悪い意味合いで複数回使われていた。
これ、話の本筋ではないにせよ、韓国に失礼だよな…と思う。最初の人はわざとやっているのかもしれない。誰も英語なら裏をとりにいかないだろうとたかをくくったのか、リンクも直接は紹介せず、サイト名だけ書かれていたから、わたしは自分で探した。悪意は、あったかもしれない。
だが最初の人が悪意であれ過失であれ、おそらく、そこまで確認してからシェアやいいねをする人は少ないだろう。また、大筋が間違っていないならと、シェアやいいねを押す人は、いるかもしれない。だが次にそれを間接的に目にした人間は、その人がぜんぶを見てからいいねしていると思うかもしれない。そのあたりが、考えるときりがないのだが、悪意はないにせよ結果として感情の増幅器のような役割を果たすことになるのだろう。
国による外交がめためたになっている2015年現在、民間だけでも、できるだけ誤解や摩擦の少ない、少しずつの思いやりで意見交換や情報伝達をしていけたらいいのだが。