過ぎてしまえば笑い話なのだが、行くときと帰るときの両方で、2回もアプリに泣かされ(笑わされ?)た。
今日は「近いのになぜか出かけたことがなかった豊島園に、アジサイを見に行く」と決めていた日だった。午前10時に西武新宿線の鷺ノ宮駅近くで用事があり、その用事が予定どおりに済んだので、西武池袋線の中村橋駅までバスに乗って豊島園まで歩こう、ということに。
まず、新しもの好きの連れが、前夜から(Googleマップにナビがついたらしいという話で、試してみたくなったらしく)「豊島園のあじさいまで、歩けるルートが見つかった」と言っていた。だがもし晴れれば炎天下だろうし、一抹の不安が。そこで当日の今日になって、バス停で「中村橋駅」が来たらそれに乗って中村橋駅から、「練馬駅」が来たらそれに乗って練馬駅から豊島園に歩こう、という話に。
やってきたのは「中村橋駅行き」。そこで、中村橋駅で下車し、いつもなら複数のナビを見くらべて歩く連れが、今日はなぜかマイブームらしいGoogleナビなるもの「だけ」を見て、歩き出したのでついて行った。
途中で何度か「これって最短距離なんかなぁ?」、「そのナビって車用のルートしか選んでないとか?」という、どちらからともないつぶやきがあったのだが、炎天下というほどでもなく、なんとか耐えられる気温なので、豊島園と思われるあたりまで、歩く。
そして、笑える事態に。
豊島園の、普段は閉まっているらしい、裏の入り口あたりに、Googleナビが連れていってくれた(笑)。
もしかしたら、遊園地が閉まっていてアジサイだけ見られる日になら、あいているかもしれない門だが(それも定かではないが)、普段は正門だけからしか出入りできない。目の前に、おそらくそこがアジサイ園だろうという気配が強く漂ってくる一画があるのだが、門がないのだから仕方がない。
豊島園の外周を、正門を求めて歩くことになった。すでに中村橋駅から20分以上を歩いていたはずで、さらにその正門探しでかなりの分数を使うことになった。さすがに、暑さがきつくなってきて、どちらからともなく不機嫌になり「仮にたどり着けたとしても、とんでもなく喧嘩になったりして」という嫌な予感も。
…だがどうにか正門にたどり着き、内部にはいって、腰を下ろしてソフトクリームを食べることになった。
ディズニーランドなどと違い、各自が持ちこみした弁当を食べるスペースなどたくさんあるし、日曜の昼間なのに「すごい混雑というほどではない」あたりがさすが豊島園という気がしたが、ひとまずアイスである。
連れが「ソフトクリーム、バニラで」、そしてわたしが「ミックス(チョコと白の半々)で」。。。だが出てきたものを見て愕然。これはミックスなのか(笑)。
これでも、チョコっぽいものが一番多く見える場所を選んで撮影してあげたのだが(笑)、実物はもっと衝撃的だった。こういうものなんだろうか。遊園地でソフトクリームというのは、かなり長いこと食べていないのでわからない。
(ちなみに、売店の名誉のために言うと、別に怪しい味ではなく、ちゃんとミルクっぽい味がするソフトクリーム350円だった)
その後、紫陽花をちらちらと。まだ少し季節が早かったようだが、種類の多さは実感できた。
あじさいを見て、正門のすぐ近くにある入浴施設「庭の湯」に移動。各種の風呂やサウナのほか、休憩できるソファ(各人にテレビ付き)、売店、食事処がある。館内専用のウェアやタオル類が貸し出されるので、通常パターンとしては、入浴をして館内ウェアに着替えて過ごし、食事などをして、精算するとき靴を返してもらえるという仕組み。わたしたちは初めてだたので、最初の入浴をしたあとに服に着替えてから食事をし、退館したが、慣れている人はぎりぎりまで館内ウェアのようだ。食事処で服を着ている人は、ほんとうに少なかった。
これは、食事に注文した天ぷら定食。1500円台後半くらいの値段。ビールをつけてもひとり2000円弱だった。値段の割には、けっこうちゃんとした定食で、手前の(名前はわからないがナスの燻製みたいな?)漬け物も美味だったし、味噌汁は具が沈んでいるのでわからないかもしれないが丁寧なものであったし、美味しかった。
その後、豊島園駅を利用せず、西武池袋線の練馬駅まで歩いた。理由は、西武池袋線の豊島園駅は練馬駅とつなぐためだけという位置づけのためか、1時間に数本という東京にあるまじき(笑)本数であったこと、都営大江戸線ならたくさん本数があるが、その前を通過するころには「歩く」という気持ちが固まっていたためだ。だがそのおかげで、少し歩いたところにある「シャトレーゼ」という洋菓子店(うちの近所にはない)を見つけ、寄ることができた。
さて、練馬駅だ。
初めての駅というのは、どれくらい小さいのか、かなり大きいのか、まったくわからない。数週間前に同じ西武池袋線で石神井公園駅を利用したときも「こんなに広くてすごい駅だったんだ」と驚いたが、練馬も同じ誤解をしていた。
たとえば西武線というのは、駅の近くからバスがでているという情報だけあっても、駅が住宅街の中にあってバスが通れる道は数十メートル離れていたり(つまり駅のバス停といってもけっこう歩く場合がある)、駅の界隈に着いてからバス停探しに苦労することが、おうおうにしてある。
今日も、練馬の駅が近づいてきたと感じたあたりで、そのパターンにそなえておこう(練馬駅が小さければ到着後にバス停探しで動き回るので、いまのうちからバス停らしきものの表示を見て見当をつけておかねば)と思い、きょろきょろ。始発からでなくてもいいし、途中の停留所からであっても、目的は高円寺に帰ることだけである。
そのとき、頭の隅にほんの少しでも「練馬の駅は大きくて駅前にちゃんとバスロータリーがあるだろう」という考えが浮かばなかったことは練馬のみなさんに申し訳ないが、結果として時間を無駄にしてしまった(^^;。
わたしはバスのアプリを入れている。現在位置のあたり(実際には練馬駅より数分以上手前)にあるバス停から高円寺駅行きを検索すると、まだ実際には練馬駅の手前数分のところなのだが、アプリは「そこにいるんだったら練馬駅のバス停ってことだよね」とばかりに、駅と交番のすぐ近くに○の印をつけるばかり。
仕方ないな、とりあえず、駅まで歩いちゃえばいいということか…。それにしてもこのアプリ、わたしたちがすでに練馬に到着しているかのごとく表示されているけれど、ま、いっか。
ほかのバスたちが客を降ろしながら練馬駅に向かっている方角はわかっていたので、ひとまず、歩いてみることにする。とぼとぼ、とぼとぼ。。。
到着して「なんだ、ロータリーちゃんとあるじゃん、でかい駅じゃん」と気づく。アプリになど頼らず、練馬駅だと信じる方角に最初からずーっと歩いていたら、立ち止まって暑い中をきょろきょろすることもなかったのにな。
ともあれ、西武池袋線は意外におもしろいところが多いと気づいたので、これからも出かけてみたいと思う。