食物アレルギーが起こりやすい食材を子供が幼少のうちに食べさせずにおくことは、予防効果にはならないらしいとの話、さらに、消化管ではなく皮膚からはいりこんだ食事の成分がアレルギーを起こしているらしいという研究結果があるとのこと。
詳しくは、東京新聞 2015.07.10 → 食物アレルギー 変わる認識
わたしは幸いなことに食べ物のアレルギーはないが、小さいお子さんのいるご家庭の場合は、家族が24時間ずっと確認できるはずもなく、どれだけご苦労がおありかと思う。考え方にもいろいろあり、軽度な場合は少しずつ慣らしていって様子を見るという方針の親御さんもいれば、それはまったく無理があるとの反論もある。難しい問題だ。
以前に、30代くらいの女性の方だったかと思うが、ある日突然に「とろろ」が食べられなくなったという体験をネット上で拝見した。食事のあとに湿疹が出て苦しもうと、いつも食べてきた食材に何の疑いも持たず、首をかしげながら何度も同じことを経験してようやく「慣れた食材で突然にアレルギーになることってあるんですか」と、どなたかに尋ねたところ、あるという話だったとか。
その方のお話では、人間の体内にはどの食材を一生でどれくらい摂取という「量」のだいたいの幅があって、それを超えたとき、それまで大丈夫だったものでも受け付けなくなる場合があると、説明を受けたという。
こういう「一生の枠」という話がどれほど正確であるか、あるいはもともと素人にわかりやすくするため簡略化された話であるのかは不明だが、心の隅にずっとこれが引っかかってきた。
入院や通院でステロイド剤の内服もしは注腸剤(腸に直接注入)を入れるとき、処方するたびに医師がノートにこれまでの累計を電卓で確認していた姿も、同じ話(一生涯どれくらいの量までよいという累積)なのかなと、ちょっと思ったりもした。
いまのところ、食物アレルギーはない。だがどんなものでも、何が食べられなくなっても、それ以外のものを「これだけまだ選べる」と考えられるような人間を目指してみようと思う。