去年の夏に、高円寺の北口界隈でもとりわけ地味な場所に開店したパン屋「しげくに屋55ベーカリー」が、なかなか繁盛している。もとは武蔵野市界隈を中心に本店と支店を構え、一時期は都内のおしゃれな場所にも出店していたと噂は聞いているが、それがよりによって、あのごしゃっとした地味な場所に本店として移転オープン…と、在住30年以上の地元民(わたし)も、びっくりしたものだ。
ところが最初のそんな印象をはねのけるかのように、最近なにやら「ここ流行ってるな」と、目が離せない。時間帯にかかわらず活気があるし、商品もけっこうある。お値段は正直なところ高円寺の平均価格よりは高いほうかもしれないが、じゅうぶんに納得できる質の高さだ。最近わたしのお気に入りは「やわらか」シリーズ。やわらかくるみ、やわらかチーズ、やわらかプレーン、やわらかレーズンがあるらしいが、レーズン以外は購入済み。ひとつ400円くらいだが、かなりのボリュームで、食事パンとして食べても楽に2人前はあるのではないかと思う。
やわらかシリーズのどれか1個と、ちょっとしたパンを2個程度買って、だいたい700〜800円(税抜き)くらい。毎日は買えないが、週に1回程度ならプチ贅沢で気分もよい。
最近になって高円寺も少しだけパン屋が増え、北口だけにしぼっても「一本堂」という食パン専門店のほか、何十年も前から営業している駅前の酒屋(東京屋)が、なぜか週に2回程度、店頭にパンをおいている。どこか近隣で焼いたものを仕入れているらしいが、販売者は東京屋になっているので詳細不明。かなりコストパフォーマンスがよい。ロールパンなど食事パンを中心に、無造作に詰め合わせた透明ビニール袋が店頭にごろっと、ただおいてある。最初はかなり戸惑ったが、一時的な企画ではなく、ずっと継続しているようだ。
南口のルック商店街にも1〜2年前に「ブーランジェリー エクラン」ができた。
自分でもパンを焼くことが多いので、あまり頻繁に外部のパンは買わない方が酵母の管理と在庫の関係上よいのだが、やはりプロの味は、やめられない。