文京区の永青文庫で開催中の春画展に出かけてきた。主催者の言葉というパネルに元首相の細川護煕氏の顔があって驚く。帰宅してから調べたところでは、もともとは細川家の文化財など所蔵品の展示を念頭においていたらしいが、のちに博物館法にもとづく登録博物館になったそうである。詳しくは → 永青文庫(春画展ページ) へ。
さて、春画であるが。。。う〜む、ぶっちゃけた話、量は半分でよかったかもしれないと思う。どれも構図から意図から似たものばかりで、三つの展示室に時代別にわかれておいてあるものの、中には「さっきの展示室にあったものに限りなく似ている」というものもあり。おそらく人気が出たものはよく似た構図で刷り直しなどを重ねているうち、時代が変わってもそっくり受け継がれるものが出てくるのではないだろうかと推測。
もうほんと、襦袢らしきものを着た男女が下半身のみ露出した構図に、ほとんどの場合は男性器が描かれている、それだけにつきる。しかも男性器はかなりデフォルメされ、単独で描かれている場合はこっけいなほど巨大 ^^;。女性器との結合を描いている場合は色でそこがそうであるとわかる程度だが、男性器単独の場合はもう、顔がよぼよぼの高齢者でも性器は…なんですかこれはと、聞いてみたくなるほど。。。(笑)描いていた絵師の99.9%くらいは男性なのだろうから、その部分に願望がはいっているのだろうが…。バリエーションが少なすぎるので、数枚で結構と思うが、それらが実に延々と、展示されているのだ。
会場をあとにし、出口近くにあったグッズ売り場に寄ると、春画の雰囲気を残した(さすがに性器ではない)さまざまな高額グッズがあった。たとえば「エコバッグのような薄いトート」、「男性用下着」、「Tシャツ」、ほかにおそらくタオルか手ぬぐいのようなものや、さらには詳細にわたった図録が1冊4000円以上、そして大英博物館による春画解説本(おそらく今回の春画の大半を所蔵しているのが大英博物館ということなのかもしれない)は、1冊が数万円だった。
なお、催しがこういう内容のためか、最後の展示室の隅に備え付けのソファには、ぐったりとして身動きもしない高齢男性が数名、目を閉じて体を預けていた。春画に魂でも吸われてしまったのだろうか。無事にお帰りになったと信じたい。
入場は1500円だったが、量を減らして800円でもよかったかなという気もする。…まぁ、1回は出かけたいと思っていたし、椿山荘の庭園も見られたし、楽しい外出だったことには違いない。帰りは近くの大通りから新宿駅行きの都バスに乗って「おー、都バスってWi-Fi使えるんじゃん」と、車内でiPhoneとAndroidの両方を登録して喜んで帰ってきた。