30年くらい、いやもっと前だろうか。セブンイレブンが日本にできて店舗を増やしつつあったころ、「夜中にいなりずしが食べたくなって」と、女性がセブンイレブンに買いにいくCMがあった。いまでもおそらく「夜中にいなりずし」という表現だけで「あ、セブンイレブン」と思う人がいらっしゃるかと思う。
わたしがときどき「そろそろ寝るか」と思っているときに食べたくなるものがある。しょっぱいスナック菓子か、やわらか系のしょっぱい煎餅だ。堅焼きの醤油煎餅はだめで、ふんわりとしたものがよい。もちろん、煎餅の買い置きが多少あるといっても、寝る直前にはさすがに食べないが(^^;。
コンビニができて、日本人の食生活はけっこう変わったというか、変えるつもりならいくらでも変えられるほど選択肢が広がった。わたしは最近、若いころに「10円でも安いほうがいい」と、価格重視で選んでいた(けっして体にいいとか、美味というわけではない)コンビニ風の弁当が懐かしくなることがあり、先日などはわざわざスーパーで、いくらでも種類が選べたにもかかわらず”やや豪華っぽいけれど所詮は海苔弁 税抜き390円“というものを昼食用に買ってしまった。なんだか妙に懐かしかった。空腹だったせいもあるが、貪るように食べた。空腹は最良のスパイスとは、よく言ったものだ。
ドーナツについては、思い描くだけで滅多に買わないのだが、実際に自分が好きなのはイースト系(パンのような生地)のものか、もしくは固めのオールドファッション系であるにも関わらず、思い浮かぶのは幼少時に親が街で買ってくれた5個いくらで箱にはいった”もさついた感じの”ケーキドーナツだったりする。いまから思うと、いや、あらためて思わなくても、たいしてうまいものではなかったはずだが、買ってもらったという思いからなのか、みんなで分けあって食べたことによるのか、余分な記憶や思いが頭にすりこまれるのだろう。
そして、世の中にいくら新商品が出ようと、たまに買って「やっぱりうまい」と思えるインスタント麺の定番は、日清「出前一丁」である。これは当時もいまも譲れない(^^)。
明日は何を食べようかと、寝る直前に思い描けるだけの心の平和、これを大切にしていきたい。