思えばわたしは、ヴァン・ダムが好きだった。古くは「サイボーグ」、「ユニバーサル・ソルジャー」、そして顔が知られてきたころから「ハード・ターゲット」、「タイムコップ」など、数々の話題作品に出ていた彼だが、最近どうしているだろう…と思ったら、やらかしてくれた。
↓ ここで少し、トレーラーが見られる。
その男ヴァン・ダム – 公式サイト
彼が演じるのは、アメリカではかつての人気も下火になり、外国で二流三流の映画に出るくらいなら、どこかでもうひと花咲かせたいともがいているヴァン・ダム本人の役。故郷ベルギーでは歓迎され、町の人もスター扱いしてくれるのだが、アメリカでは離婚訴訟の最中で、娘の養育権もかかっているのに弁護士への支払いも不安なほど懐が寒い。
ベルギーの街角で、彼は預金の引き出しと弁護士への振り込みのため、郵便局に立ち寄る。出てきたらサインをしてもらおうと、町の人々は彼を注視。。。するとその郵便局では、事件が起こっていた。
いや〜、こりゃもうほんとに、笑える。適度にダサイし、やっていることは間抜けだし、もがきつつ泥沼にはいっていくかつてのスター、いまは普通の中年男性の姿。
大詰めのところでちょっとかっこよいシーンがはいり、それがすぐ幻想として打ち砕かれる、あの展開は見事。最初から何もないより、あると見えたものが砕かれる展開は、なかなか効果がある。
ちょっとダサイが普通の人間としてのヴァン・ダムが楽しめるし、そして彼の「俳優としての」今後がどうなるのか、興味がわいてくる。