東京新聞の2016年3月26日付け朝刊の記事に、現在の日本社会の深い闇を感じた。
家にもどれば生活の保障がないだけでなく、実の息子から虐待を受けることが必至の76歳女性(千葉県)は、現在一時的な扱いとして保護されている施設から、ゆくゆくは出ていくように言われている。その大きな理由は、かつての小泉改革で養護施設への国からの補助金がなくなったことだという。市町村はそれまで養護施設用に出ていた補助金に代わり、用途を限定されずに支給されることになった補助金を、できれば「別の何か」に使いたがる傾向があるとのこと。以来、一時保護から養護施設への正式な入所につながる例は、ほぼ皆無になったということらしい。
詳しくは、こちら → 東京新聞 2016.03.26 朝刊 <老いて追われる>(2) ホームから布団もない家へ
いったい、この国は、どこへ向かうつもりなのだろうか。自国の高齢者も保護できず、自国の若い世代への支援もできず、それでいて外国にはぽんぽんと支援を約束する。意味がわからない。
自分が生きている時代に、ここまで世の中に大きな変化があるとは、正直なところ想像したこともなかった。だがそれでも、ここまでひどいにもかかわらず世間には危機感がない人がいるらしい。それもまた、どう考えたらいいのかがわからない。