念のために書くが「猿の図書館」ではなく「さる図書館」である。当たり前だが、自分でタイトルを書いていて笑いそうになってしまった。
家族が少しだけ図書館に用事があり、運がよければ30分以内に終わるというので、わたしも同行することにした。久しぶりに訪れたその図書館は、はいってすぐが気楽な図書や雑誌が置かれている一画だった。そこで椅子に腰掛け、どれくらい昔に読んだのが最後か思い出せないほどだが、デビッド・ボウイが表紙のSFマガジン4月号を読みながら、時間を潰していた。
それにしても、驚く。男性比率の高さだ。少なくとも玄関近くのスペースから推測したかぎりでは、来館のほぼ9割が男性である。年齢はやや高めだが、中には何をしに来たのかわからない「読書ではなくスマホ画面に一心不乱」の方も見受けられた。真夏ならば冷房を楽しみにそういう利用法もあるかもしれないが、無料Wi-Fiが提供されているわけでもないので、何をしていたのか不思議である。
女性が少ない理由のひとつとしては、おそらく、本や活字を見ながら「黙ってどこかに座っている」状態よりも、誰かと気晴らしでお茶でもして「話をしたい」と考える人が多いのだろうかと推測する。さらに、いったんこういう傾向(年齢が高めの男性が圧倒的に多い)に気づいてしまえば、やや居場所に困るような感覚で、敬遠してしまうこともあるかもしれない。
室内のお知らせによれば、回数は多くないがお子さん連れの人が利用できる曜日や時間帯があるようだった。どうしても子供を連れて出歩くのは女性という考えがしみついている日本、おそらく女性はそういう日に多めに来館するのだろうかと想像する。
帰りは高円寺の駅前で、トリアノンでスパゲティを食べ、いくつか買い物をして帰宅した。