茨城県つくば市の筑波メディカルセンター病院で99年に受けた直腸がん手術で後遺症が残ったとして、患者だった同市の男性が病院側を相手取り、慰謝料など約3515万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が20日、水戸地裁土浦支部であった。中野信也裁判長は「手術に使う器具で腸管を損傷させた可能性がある」と手術ミスを認め、病院を運営する財団法人筑波メディカルセンターに約1367万円の支払いを命じた。
先週の木曜くらいだったか、テレビでこの事件のあらましを紹介していた。患者は手術後2週間の意識不明、集中治療室において一命をとりとめたが、退院後に肉眼ではっきりわかる傷痕(穴)が残った。別病院の医師にそれを確認したところ、そこから見えているのは腸だったとのこと。
男性は裁判官から心ない言葉で和解勧告を受け(勝てない裁判で長引くより、いまのうちに早くカネをとれ…大意…といった内容だったらしい)、その心痛もあって1ヶ月後に病院の前で焼身自殺をした、とのことだった。
ただでさえ長引く日本の裁判だが、医療裁判は専門的な見解が一般人にはわかりづらい上、原告が著しく健康を害していた場合には本人が最後まで見とどけることが困難というつらい面がある。裁判の迅速化が望まれると同時に、医療問題を的確にプロの目で仲裁もしくは助言してくれる第三者機関の存在がほしいところ。そういったものはすでに何度も検討されているのだろうが、早く実現してくれることを祈っている。