関東地方はこの夏はすでに水不足であり、盛夏のころにいったいどうなってしまうのかは、予断を許さない。利根川水系で最大の容量をほこる矢木沢ダムがとくに貯水量が少ないと言われている。
さて、先日テレビを見ていたら、節水の工夫としてこんなことを言っていた。
「歯磨きをするとき、水を出したままにしない」
「食器洗いで、水を出したままにしない」
「食器洗いの際、汚れを布などでぬぐってから食器を洗う」など…
…3番目は一概にどうこう言えないが(なぜならその布をきれいに洗ってまた使えるようにする人もいるかもしれないわけで ^^;)、それ以外に関しては「わざわざそれをテレビで言うのか」の心境である。当たり前のことだ。それくらいなことが、いままでできていなかったのかと思う。
東日本大震災のときにも、輪番停電で地方の人々にご迷惑をかけていたのに、東京のテレビでは「ドライヤーを20分かけずに10分にするとか」…とスタジオでコメントした女性がいた。わたしはドライヤーをまったく使わないので、これには驚いた。仮に体調不良の際に雨でずぶ濡れになってしまって大急ぎで髪を乾かす必要が生じたと仮定しても、3分以上の使用をすることは、わたしならまず考えられない。20分のドライヤーというのは、いったい何の話だと、そういうことが必要な職業の人がいるにせよ、いまここで、東京23区以外の多くの地方で停電の順番におびえている人たちが見ているテレビで言えるなぁ…と。
まぁ、人はそれぞれに事情と立場があるだろう。わたしとて、世間一般から見ると理解されないがどうしても譲れない「電気の使い道」は、あるはずだから、ひとつひとつについて言い合うことは健全ではない。だがそれにしても、あのドライヤー発言やら、今回の「歯磨きの水」やら、何かとてもズレている感覚を覚えたのは事実だ。
深刻な水不足にはならないで済みますようにと、東京の片隅から、願っている。