豊洲の新市場予定地で主要な棟のいくつかにおいて地下が「盛り土がなくて空洞で、水が溜まっていた」というのも気持ちが悪いが、数十年経ったわけでもないのに記憶が薄れたとでもいうのか自分は騙された側だという元都知事の石原氏。あげくに、過去の言動が記録されていることから疑問点を尋ねられると、自分は専門家でもないので下から受けた提案をほかに流しただけという立場をとっているらしい。あと数日もしたら、何を「思い出したり」、「忘れたり」するのか、おそるおそる待っていようと思う。
さて、それよりも民進党である。
せっかく代表選で勝った蓮舫氏であるが、いったいどうしたことか。虚構新聞かと思うような人事。元総理の野田氏を幹事長にするそうである。いったい、どうしてそんなことになるのだろうか、まったくわからないのだが。
民進がどれほど自滅して、解党しようが弱小化しようが、それはもう、止められないことかもしれない。だがせめて、自民党に危機感をいだいている人々に対して大きな対抗馬になり得るサイズの政党は(あくまでサイズの話だけをさせていただくが)、自分たちしかないというくらいの気概は、持っていただきたかった。多くの「野党がんばれ」の声とその声援を発する人たちに対し、門出となった初めての人事で、バケツどころではなく浴槽の水をすべて浴びせかけ、びしょ濡れにしたのも同然である。
なぜそんな人事を考えついたのか、そもそもそれを想像をする時間すら、わたしにはもったいない。おそらく「まずは党内をまとめる、党内をまとめてから自民に対抗する、国民はそれまで待っていてくれる」とでも思ったのだろう。冗談ではない。野田氏が総理であったころの「ぜったい勝ち目がないのにこのタイミングで解散総選挙ってなに考えてるんだろう」と同じか、それ以上に、今回の蓮舫氏の考えは、愚策のひと言であるように思えてならない。
ともっていた希望の火を消すのは簡単だが、人が次に希望の火をともすことがもしあったとしても、消した人間がつけてくれと頼むことはできない。蓮舫氏は、せっかくあった小さなチャンスを、うっかり足で踏むどころか、よりによって重機で潰したように、わたしには思える。