偶然にも連続で、キアヌ・リーブス主演の「47 ronin」(47人の浪人)と、クライブ・オーウェン主演の「ラスト・ナイツ」(最後の騎士)を見てしまった。前者はときどき有料チャンネルで放送しているので、見たのは初めてではない。テレビがついた状態でなんとなくだらだらと「ながら見」をしていたのが昨日だったかと思う。
47 ronin は、舞台が日本ということになっているがどう見てもあたりは広大な魔界で、衣装は「西洋人が思いっきり中国を想像して作ったらこうなる」を具現化したもの。キャストの半分くらいが日本人で、キアヌ・リーブス以外の「役者の見た目アジア度」は、9割くらいになるのではないかと思う。全員が英語を話すのがつらい。英語がうまくない役者さんも出ていたので、う〜ん、でもまぁ、外国映画だし、仕方ないのか。
そして今日、わたしが以前にタイトルだけ覚えていた「ラスト・ナイツ」がApple TVにあるというので、家族がレンタルしてくれた。一緒に見はじめてすぐ「あ、これ、忠臣蔵?」ということに。
こちらは監督が日本人の紀里谷和明で出演者のひとりが伊原剛志だというだけで、景色や建築物などの雰囲気は何もかもヨーロッパ。ただし黒人俳優やアジア系俳優も多くキャスティングされていて、配役の豊かさを考えればアメリカ的ともいえる。
古き時代の騎士精神を守りたい貴族(モーガン・フリーマン)は、勢力を広げている国の大臣があからさまに賄賂を要求したことに対し、それに応じればきりがないからと、必要最低限の手土産で会見に向かう。先方は侮辱を受けたと大騒ぎで、あるまじきことにモーガン・フリーマン(意味としては浅野内匠頭)の命を脅かすかのような行動に出る。毅然と受けて立ち、切っ先を相手(吉良上野介)に向けるが、そこに双方の部下がやってきて、いったんその場は落ち着く。
そして…という具合に、忠臣蔵にまっしぐらである。
47 roninのほうは、もう娯楽と割り切って見るしかないし、戦闘能力があれだけあっても吉良の屋敷だけ牛耳れればいいと欲のないことを考えているらしい妖(菊地凛子)についても、ちょっとやり過ぎ描写が感じられるのだが、今日見た「ラスト・ナイツ」は、「なんでここまで地味なのか」と(^^;。これでは、日本人ならまぁ「忠臣蔵かぁ」と思えるものの、外国では地味すぎてウケが悪かったものと推測する。
キャシャーンとか、Goemonとか、あのころのきらきらした雰囲気を、もう少しだけ出してもよかったのではないかな、紀里谷監督。