日々いろいろな人々による知恵や研究、そしてそれに協力する人々の実行力で、世の中は動いている。博多駅前の陥没は1週間以内に元通りになり、交通やライフラインも復旧して、世界の人を驚かせた。そして今日、東京新聞で読んだこの記事もまた、素晴らしい。
東京新聞 2016.11.16 スポンジでセシウム除去 水に流れない北斎の「青」ヒント
放射性のセシウムを「スポンジ」で回収する新技術を、東京大などのグループが開発し、十五日、英科学誌サイエンティフィック・リポーツに発表した。青色の顔料プルシアンブルーを繊維と結合させたナノテクノロジーの成果。発想の出発点は葛飾北斎の版画だった
製造が安価で加工がしやすいスポンジを開発し、セシウムを吸着させ、その後は圧縮して埋め立てることが考えられるという。
わたしは原発はなくなるべきだと思っている。できるだけ早く減らし、将来的にはなくなるべきだと考える。その理由の大きな部分は、必ず出る核廃棄物の安全で確実な処理方法が決まっていないことだ。将来の誰かが安全な技術を発見するに違いないといったあやふやなことでは、原子力発電をすべきではない。だが現実問題として、事故で流れ出てしまったセシウムが実際にあるというのに「だから稼働には反対だった」と言って回収の技術開発や実行に消極的な人がいたら、それはただのわがままである。回収できるものは早く回収し、その上で、今後は増やさないという方針も確認されてから、そこで初めてより多くの人により新たな将来に向けた協力体勢ができていくものではないだろうか。
こうして回収する技術がひとつ発見されたからといって、原発を今後も稼働、ましてや輸出していくことには、とてもではないが賛成できない。協定に調印したことで日本からインドへの原発輸出が事実上可能となったようだが、わたしは輸出に反対する。