今日、あるきっかけで「失踪事件」という単語を検索していた。すると、日本の失踪事件を紹介したサイトがあった。見ているうちに「あれ、この事件はいつ解決したのか…?」と、驚いたのが、1996年に発生した坪野鉱泉の行方不明事件だ。テレビや活字でも話題になっていて、よく覚えていた。
それは19歳女性ふたりが、夜に「肝試しに行く」と言い残して車で出かけ、車も本人たちも発見されないまま、20年以上が経過していた富山の事件である。坪野鉱泉に出かけた可能性が高いということで、坪野鉱泉の行方不明事件と、呼ばれてきた。それが2020年に、乗っていた車が富山湾の海中で発見され、車内には人骨があったという。
文春オンライン 2020.04.11 心霊スポットに出掛けた“少女2人”が謎の失踪……伝説の廃墟・坪野鉱泉を巡る「神隠し事件」24年目の真実
これがもし事実ならば、とても憤ろしい話だ。男3人が富山湾で駐車中の女性ふたりに声をかけた。それを疎ましく思ったか恐怖を感じたのかは不明だが、女性たちの車は後方に進んで、海に転落したという。それを誰も通報しなかったのだ。
その証言の通りであるならば、すぐ救助を呼んでいればたすかったかもしれない。それをせずに20年以上も黙っているというのは、それ以上に何かあった(車が落ちた原因にもっと深く関わっていたか、そもそも話に虚飾が含まれていた)可能性も、捨てきれない。
しかも、事情を知っていそうな男3人を特定してから話を引き出すまでに、県警がかけた時間というのが年単位で、あまりに長すぎる。
これでは、見殺しにされた被害者は浮かばれない。ご家族もさぞ無念だろう。