昨日、レンタルDVDで見たGOEMON。正直なところ、予想よりかなりよかった。
紀里谷和明監督の前作キャシャーンのときも映像と世界観で感動を覚えたが、今回はさらに、話のとっつきやすさ(日本史でもあの時代はけっこうポピュラーなはず)と、絶妙なキャスティングが、わたしごのみのツボにはまってしまい、半分だけ見るつもりが夜中にひと息で見終えてしまった。
江口洋介が適任だったのはもちろんだが、個人的には秀吉役の奥田瑛二と家康の伊武雅刀を思いついただけですごいと思う。どんな映画でもひとりくらい感じる「この役がこの役者じゃなかったらなぁ」を、まったく考えなかった。…いや、鶴田真由があっけなかったとは思ったが、あれはキャシャーンとの絡みで友情出演のような扱いか。
中村橋之助で信長像というのは、ちょっとこれまで思いつかなかった。たしかに「人生五十年」を舞うシーンをとりたかったら、一般の役者にみっちりレッスンをさせたところで、橋之助の風格にはかなわないだろうという気がする。
過去を捨てて自由を選んだ五右衛門、そして彼と再会しその「自由の代償」がどれだけ大きいものであったかを、身をもって悟らせた霧隠才蔵(大沢たかお)。五右衛門をひそかに思いつづけていた信長の姪、茶々。美しくはかない蛍の輝きが、ストーリーの要所を彩る。
公開は2009年だが、撮影は2007年だったのだとか。世界公開も予定されているとのことで、実現と成功を祈っている。
紀里谷監督作品に、これからも期待。