幼いころ、初めて「父の日というのは6月20日」と意識した。少ない金額を握りしめて、何かを買いに行くことになった。父の日がどうのよりも「友達と買い物に行く」というのが、楽しかったのかもしれない。
その日、父に何を買ったかよりも、同じデパート内で売られていた「重さでお菓子を売っているコーナー」というものに目を奪われ、みんなが軽いゼリービーンズを買っているのに自分はパイナップルの輪切りくらい大きな菓子(それもゼリーだっただろうか?)を計ってもらって「重いのがはいっているから、200円を超えちゃうけれど、大丈夫?」と、売り場の人に心配された。
けっきょく、記憶は断片的で、その大きな菓子を含めて200円以上を払ったのかどうかは覚えていない。ただ、とても楽しかったこと、6月20日は父の日だということが、頭に刻まれた。
だが翌年から、父の日というのが別の日付になっていった。毎年1日ずつくらいずれていった。周囲の友達に「20日じゃなかったっけ」と尋ねても、みんな「違うんじゃない?」と答えた。曜日で決まっていると気づくまでに、おそらく4〜5年かかったのではないかと思う。
その6月20日は、いったい何年だったのか、カシオの「曜日計算 」というサイトで調べてみた。1976年だったようだ。
便利な世の中である。Googleに「過去に6月20日が日曜日だった年」と検索を頼んだら、上記のリンクを教えてもらえた。20年くらい前ならば、検索エンジンは単語をそのままで認識した。いまはAIが「だいたいこんなの探しているんだろうな、この利用者は」と、勝手にあれこれ候補を出してくれる。ありがたい。
そういえば同じく今日のことだが、「子供のころ、おからが好きな侍が出てきたテレビの時代劇あったよな」と検索をすると、数秒以内に詳細まで表示された。Googleさまさまである。