表題の件はネットで検索するといくつかヒットするので、ご関心がある方はぜひ検索をされるとよいかと思うが、わたしにしても狙っていたわけではないのになぜか目の前に出てきたので、意外さからけっこうまじめに読んでしまった。
関東大震災のとき、どの道を逃げればよいものやら見当もつかず、あたり一面が火の海というときに、目の前に低空飛行のUFOが現れ、道順を教えてくれたというものである。周囲の人たちに「ついていこう」と誘いかけたがご自分を入れて7人しかあとをついていかなかった。だが、1時間ほどして安全な場所に移動できたそうだ。
ほんとうに低空で、ときおり窓から手を出してくるので(白人ぽい見た目の二人組)、もしや引っぱられてさらわれるのではとも感じるほどに、距離は近かったという。
まあ、それがUFOだったかどうかは、この際よいとして。
人はとても大変なとき、何かを見ることがある。
どうやって切り抜けたのかわからないほどの災難や苦痛ののち、あとから記憶をたどって、思い出したような気分になるが、もしかすると頭の中で話を再構成しているだけのこともあるだろう。
15年ほど前になるが、自分が初めての入院で高熱を出していた数日間に、目の前に出てきたものや、「ラリッた」感覚を、わたしは忘れない。世の中のすべての真理がわかったかのような全能感も味わった。恍惚とした。幸か不幸か、頭が冴えたときにすべて消えてしまったが。
(ちなみに全能感を表示させようとして最初に出たのが前納、次が全農だったので、いかにいまの自分が全能からはほど遠い庶民であるかがわかるというものだ)
いま、鬱屈しているこの世の中で、何か光があるとありがたいと思う。
かといって目の前にUFOが出てきたらちょっと引くが、何らかの光が、見えたらうれしい。そしてただついていくのではなくて、その光とは対話をしたい。