今回のオリンピックでは、出場選手やスタッフの方々から、暑さへの悲鳴が上がっているという。また、誘致の際に「温暖で」という言葉を使った日本と、それを受けいれたIOCに非難の声が上がっているとも聞く。
わたしは誘致とその開催予定時期が決まったとき、時期の変更が無理ならば、種目によっては自国の選手を出さない国があるだろうと思っていた。かなり暑いし、立っていればいいわけではなく激しい運動をするためにやってくる方々なのだ。体が持つはずがない、と。そしてそういう反応が事前に何カ国かからあれば、日本としても開催の時期や時間を変更することになるのではと。
だが、暑さを理由として自国の選手を出場辞退させた国があったようには、聞いていない。
IOCを含む各国関係者は、日本の蒸し暑さを知らない人ばかりではなかったと思う。そして選手やその周囲の人々のなかにも、自分たちが日本に来るのだから気温など詳細を調べた人もいるはずだ。だがおそらく「気温は高く、湿度もすごいと聞いているが、正式に決まった以上はスポーツができる環境ではあるのだろうから、行く」という流れだったのではないかと想像する。競技が難しいような気温や湿度で外国から選手を呼ぶ国はないだろうと、誰しも思う。
多くの競技が無観客となったが、選手らに不調が相次いでいるとのこと。
火を見るよりも明らかだったというのに、誰も本気で7月開催を再考しなかった。
選手や、関係者の体調よりも、決めた予定をそのまま押し通すのは、実に恥ずべきことだ。