大阪でいたましい事件が起こった。ビルの4階にあるクリニックで玄関付近(ビル内のエレベーターと階段に近い位置にあった)が放火され、内部にいた人は火の燃えさかる出口を利用できず、大多数が心肺停止になったという。
30分後に火は消し止められ、消防や救急の人々が被害者を救出した段階では、28人が病院に運ばれ27人が心肺停止と報道された。だが、数時間後の段階では、いったん少人数の「死者」が病院らの情報を元に正式発表され、夜になって24人となった。
おそらく、心肺停止というのは心音や通常の呼吸が確認できない状態で、医師以外の人でも発表できることなのだろうと思う。大きな事故の報道で「心肺停止で病院に運ばれた」という表現があるが、救急に携わる人に医師免許がなければ、死亡と表現してはいけないのだろう。
今回は、最初に報道された28人という数字が正しければ、ほんの数名の方しかたすからなかったことになる。
なんといたましいことだろう。
正式な発表ではないが、放火をした人はクリニックの患者であった可能性があるという。間取りが頭にはいっていたならば被害が大きくなることも予見できたはずで、その手法で何らかの恨みや鬱憤を晴らす(もしくは道連れでの死を選んだ)のであれば、人の心の闇というのは、かなり底知れぬ深さを持つものといわざるを得ない。