よほど熱心な担当者が目を通した場合は別かもしれないが、どれほど緊急とこちらが考えていても、誤った情報を指摘してそれが訂正されるまでに、一般と同じ日数を要することがある。
以前に、危険なURLを発見したことがあった。もともとは正しいものだったが、所有者がドメインを手放したのち、店名を微妙に変更の上、周囲に告知せずに別のURLを使いはじめたため、その旧名とリンクを紹介した記事がネット上に多く残っていた。手放されたことに気づいた悪質な業者が、すかさずそのドメインを利用した。
そのリンクをクリックすると、バナーが同時に複数飛び出して、ブラウザの操作を困難なものにしてしまう。慣れているつもりのわたしでさえ難儀した。そして次のアクションを起こす前に「先ほどのURLがほんとうに悪いものだったのか、原因は別か」の特定のため、別の複数のブラウザで同じリンクを何度も踏んで、その苦労をくり返してから、確信した。
掲載元のサイトには、連絡先がなかった。そこで、ほかの有名なサイトでそのリンクを載せていたものをいくつか探し出して連絡した。朝日新聞の食関連コラムの担当者は、わたしのメールですぐ(おそらく同じ実験をして)対応し、リンクをはずしてくれた。ありがたかった。最初のコラムの人は関連サイトにメールフォームがあったのを見つけて伝えたが、反応がなかった。
そして食べログ。
文章で「押すと大変なことになるからリンクを削除または新しいものに変更して」と、かなり強めの言葉で書いたのだが、通常と同じ2週間後の扱いで、関連情報とリンク先が変更になった。強く書いたつもりでも読み手は真剣に考えていないのだと、がっかりした。
すると、最初のサイトの人が、食べログが情報を変更したころになってようやくリンクを消した。知らない人からのメールよりも、食べログなど大手のサイトで動きがあれば信じるということなのだろう。無理もないことかもしれないが、それまでの期間に自分のサイト経由で大事な客がひどい目に遭っているかもしれないとは、想像ができないのか。しかも自分ではクリックしてもみなかった、ということなのだろう——自分のサイトに、自分が載せているのに!?
1年以上も前のこの件をふたたび思い出したのは、Amazonで、ある有名メーカーの食洗機が主さ0.5kgと書かれていて笑ったことだ。普通は12〜14kgくらいあるだろうと思う。誤植だなと笑える人ばかりとは限らない。さっさと誰か訂正しろと言いたいところだ。また、サイズが完全に間違っていて、レビュー欄で「説明文に書かれていたサイズと違った」と訂正されているものもあった。出品業者またはAmazonは、こういう情報をすぐ説明文章に反映させなければならないはずだ。サイズは、数センチ違っていても大誤算になる。