なかなか収束の気配を見せない新型コロナだが、都心部や大規模なターミナル駅では1月下旬くらいから人が減ったとの情報がTwitter等で寄せられている。
都内を移動している人の話を聞いたり、Yahoo!の混雑レーダーなどを見ていて感じる範囲では、新宿、渋谷など山手線沿い、そして東京23区でもとくにJRの駅に近いあたりは、たしかに混雑していないようである。
いっぽうJRの駅から遠かったり、小規模な商店街とスーパーがいくつかあるなど住宅地と商業地が密接に混じりあった界隈は、人の流れが増えている。わが家の身近な範囲で書くならJR中野駅、高円寺駅の周辺は少し減っているが、北上して早稲田通りを越え、西武新宿線の駅界隈は増えている(いずれも平日の昼間に確認)。在宅ワークが増えているということなのか、出かけるのをやめて家にいる事例が増えたのかはわからない。単純に考えると、人が暮らす家の数が多いかどうかの差かもしれない——JR駅近くよりもそれ以外のほうが、家賃はおおむね安いので。
実際に、平日午後に近所を散歩や野暮用で歩いていても、人が減ったという感覚はまったくないし、俗に言う平常運転である。
2020年の春に休校が相次いだ時期の、近所の混雑といったらすさまじかった。公園という公園に子供たちがあふれ、それを見守らなければならない保護者の数も多かった。スーパーで子供たちが立ち話をし、遊んでいた。混雑緩和で入場制限をしたい店側と、子供たちだけ屋外に待たせておくわけにもいかないから一緒に入店する買い物客と、同級生を店内で見かけてはしゃぎ合う子供たち、そしてそれ以外の一般客。たいへんだった。
あれから2年経つのだが、人がある程度は慣れてしまったという点を除き、取り巻く状況はさほど変わっていない。
在宅ワークの傾向が促進されたり、地方への人口流出があるのは自然と思うし、マスクも真夏でなければ無理に着用している感覚がないので状況を見守っているが、個人の生活レベルでも、大きな国の流れとしても、今後しばらくは、この状態がつづくと考えたほうがいいのではないだろうか。
都心回帰で人が集まると踏んでいた近年の都市計画や住宅供給のからみではすでに経済的な損失が大きいだろうし、今後もその差は大きくなっていくことだろう。以前の通りになる日が来ることを願うばかりでなく、いつでも別プランに移行できるような柔軟性が、行政にも経済界にも求められている。