ロシアと敵対してきた歴史の長いアメリカが、今回のウクライナ関連報道(ロシアが侵攻するかしないか)に敏感になり、早めの行動を心がけたり報道を過熱させるのはわからなくもないが、それ以外の国は、もう少し冷静になることはできないか。
日本をはじめいくつかの国の報道を見て/読んでいるかぎりではアメリカ寄りの立場からのものが多く、このままだと「ロシアはそろそろやるだろう」と、まるで野次馬のように煽っていく結果になりそうだ。
深刻な事態において世論をなんとなく方向付けできていれば、行動を起こす側は勇気づけられるかもしれないが、責任の所在が曖昧になる。「イラクに大量破壊兵器がある」との誤報でどれだけの数の被害があったか、そしてしれっと「ありませんでした」と謝って済む問題ではないのに、軽く済ませたか(ちなみに日本は謝っていない)——まだ四半世紀も経っていないのだ。
そろそろ、人は学ぶべきだ。多角的で冷静な報道を望む。